第119話
ガルドさんと食事をした後、ガルドさんは「昔迷惑掛けた所に謝ってくるよ」と言い王都の街に消えて行った。爺ちゃんとの約束の時間まで少しあるし、どうするか悩んでいるとルーシェ達がダンジョンがある方から帰って来ていた。
「ルーシェ達、ダンジョンに行ってたの?」
「うん、この間クリフ君に案内してもらって行ったけど3人でも行けるか試しに行って来てたんだ。クリフ君が居た時より大分進むのは遅かったけど3人でも安定して行けたよ」
と嬉しそうにルーネが報告してくれた。ルーシェが「クリフ君の回復魔法が無かったからMPの減る量が多くて休む時間が長くなったりしたけどね」と言い、アンネが「クリフ君の強さが分かったよ」と言っていた。ルーシェ達がダンジョンで手に入れた素材を売りにギルドに行くと言ったので俺も話しながら行く事にした。
ギルドに着いて中に入るとさっきまでとは違った慌ただしい雰囲気に変わっていて、受付のレインさんはさっきの薬草を頼んだから居らずかわりにギルド長が受付の所で他の受付に何か指示を出していた。
「何かあったんですか?」
「あっ、クリフ君……」
近くに居た冒険者に慌ただしい理由を聞こうとすると、何故か冒険者の人は言い難そうな顔をしていた。ギルド長が俺に気が付き受付の横の扉から出て来て俺に近づいてきた。
「クリフ君、落ち着いて聞いて欲しい事がある」
そうギルド長は最初に言い言葉を続けた。
「……Sランク冒険者シルバー・シキットと娘のミケ・シキットが王都へ帰還中、上位竜である〝毒竜〟の毒にやられ死にそうな状態になっている」
「ッ! ミケとシルバーさんは今どこに?!」
ギルド長から聞かされたその情報に俺は驚き、ギルド長に迫る様にして先の事を聞いた。
「王都から南西に馬車で三日程の〝ダルトスの街〟に居る。しかし、毒竜が近くに居る為に先に討伐隊を組んで討伐しない限り街には近づけない状態になっている」
「……俺が行ってきます。この様子だと討伐隊は、まだ出来てない様ですし、何よりミケの様態が心配です。それに俺には毒への耐性スキルも回復する手段も持っているので毒竜を撒いて先にシルバーさん達の回復をする事も出来ます」
「分かった」
その後、ギルド長に〝特別依頼〟として毒竜の討伐もしくは街付近から遠ざける
依頼を発令された。ルーシェ達も一緒に行くと言われたが「大丈夫、心強い人を連れて行くから」と言って一度家に帰ることにした。
街中で空歩を使い家まで一直線に帰宅し、爺ちゃんの部屋に向かった。
「爺ちゃん、ちょっと大変な事が起きたみたい」
「なんじゃ?」
部屋に入りそう言った俺に本を読んでいた爺ちゃんは真剣な顔をしてこちらを向いた。俺はギルド長に聞かされた情報を爺ちゃんら伝え、爺ちゃんに協力を願った。
「分かった。儂も着いて行こう。ドラグノフはどうするのじゃ?」
爺ちゃんのその質問に「勿論、連れて行くよ」と返し自室て寝ているドラグノフ達の所へ向かった。ドラグノフ達は、まだ寝ていると思っていたが何故か起き上がってリバーシーをしていた。
「ドラグノフ、アーリン。疲れて寝てたんじゃなかったのか?」
「あっいや、これは……」
「これは、その……」
2人は言いたく無さそうに真実を話した。最近、疲れていたのは〝リバーシーの特訓〟をしていたかららしい。毎回毎回、俺にボロ負けしているドラグノフからの提案をアーリンが承諾し隠れて特訓していたみたいだ。
「そうだったのか、まあ今はそれ所じゃないんだ―――」
俺は二人の話を聞いた後、俺の友達とその親が危ない状態でいる事、そしてその原因を作った毒竜が居る事を伝えた。
「毒竜の奴等この辺に移住してきていたのか昔、我が暇つぶしに相手してやった時に数匹逃げた個体が居た奴等かな?」
「ドラグノフの仕業か……」
「いや、クリフッ! た、確かに暇つぶしで絶滅させようとしたが既に数百年前の話だ」
ドラグノフは「我は違う」と叫んで俺に謎の許しを請っていた。俺はそれに対し「まあ、今はミケ達が心配だ2人とも手伝ってくれるか?」と聞いた。
「当り前じゃない、クリフ君の頼みだもの」
「我だってクリフの従魔だしな命令とあらば手伝うぞ!」
2人の参戦を受けた俺はそのまま父さんの所に行き、事情を説明し〝ダルトスの街〟に聞くことを告げた。
「……これ、怒られるのまた私なんだけどな」
「母さんには帰ってきたら、美味しいクッキーを作るから許してって言っといて」
「分かったよ。どうせ止めても無駄だしね。義父さん、クリフが無茶しない様に見ててくださいね」
「分かっておる。儂にも被害が来るからのう」
爺ちゃんと父さんは謎の握手をした後、父さんの許可を取り裏庭でドラグノフに竜化してもらいダルトスの街へ向かった。
急展開(´・ω・`)




