第114話
昨日はあの後、家に帰り夕飯を食べ兄さん達と一緒に風呂に入りいつもの自分の部屋ではなく少し広めの部屋で子供だけで寝た。ドラグノフとアーリンも一緒に寝るか聞いたが「私達は遠慮しておくわ」と言って、ドラグノフとアーリンだけは俺の部屋で寝て子供の俺達は一緒の部屋で寝る事になった。
寝る場所を姉さんと兄さん達で取り合っていて結果〖レリック兄さん、クラリス兄さん、俺、エレミア姉さん、アリエス姉さん〗といった感じの並びで寝る事になった。
次の日、朝いつも通り目が覚めると俺の布団の中にエレミア姉さんとクラリス兄さんが入って来ていたので起こさない様にして二人を元の布団へ戻した。戻す作業をしている途中でレリック兄さんが起きた。
「おはよう、クリフ。起きるの早いね」
「おはよう、レリック兄さん。兄さんも早起きだね、昨日あれだけ遊んだのに」
「まだちょっと疲れが残ってるけど、昔より体も鍛えてるから大丈夫だよ」
「そっか……ならさ、ちょっと打ち合いでもしない?」
「僕も最近、鍛え始めてるから冒険者のクリフとやれるなら楽しそうだし、良いよ」
俺の提案にレリック兄さんは賛成し、皆を起こさない様に部屋を出た俺とレリック兄さんは裏庭に移動した。打ち合い用にと木の剣を2本出し、一本兄さんに渡した。
「片手剣で良かった?」
「うん、というか片手剣しか使えないからね」
木の剣を兄さんに渡した後、少し距離を取り「それじゃ、始めるね。銀貨が落ちたら開始で」と言って1枚の銀貨を取り出し、親指で弾き空中に浮かせた。そして、銀貨が落ちた瞬間俺とレリック兄さんは離れていた距離を一瞬で縮めた。
「ガンッ!」
俺と兄さんの木の剣がぶつかり合った鈍い音が鳴った。そして第二の攻撃として俺が下から、兄さんが上から剣を振り切った。兄さんの剣は、重さは感じないが技術が高く俺が剣を吹っ飛ばそうとした力を逸らすように返した。
「やるね。兄さん」
「これでも兵士さん達と時間がある時は手合せしてもらってるからね。それじゃ、今度は僕から行くよッ!」
そう言って兄さんは音を極力発たせず近づいて来て、横振りに剣を振った。俺はその剣を受け止めようとしたが助走も加えられていたその剣は予想以上に力強く手と足にダメージが来た。
そのせいで一瞬の隙が出来た俺に対し兄さんは更なる追撃として自分を回転させもう一度横振りに剣を振った。俺はその剣を次は受け止めずギリギリの所で交わしがら空きになっている懐へ突進し剣を当てた。
「……降参だよ。流石、クリフだね」
「いや、兄さんも凄かったよ。最初は重さを感じなかったのに横振りの剣が異様に強くてビックリしたよ」
「あの技、結構練習したからね。一度、あれでクラリスに勝ったからクリフにも勝てると思ったんだけどな、まだまだ練習が必要かな」
兄さんは地面に座り込むと「昨日の疲れも溜まってて、立てないや」と言った。俺は兄さんの足に回復魔法を使ってあげると直ぐに疲れが取れたのか「そう言えば、クリフは回復魔法が使えたんだね。しかもこの回復、結構レベルが高いんじゃない?」と驚いていた。
兄さんはそう言いながら立つと後ろから「クリフ~、レリック兄さ~ん」と言う声がして振り向くと、そこには先程まで寝ていた姉さんたとクラリス兄さんが走ってこちらに向かって来ていた。
「クリフ君、酷いよ。置いて行くなんて」
「そうだよ~、クリフ君。起きたら、居なくなっててビックリしたんだから」
「兄さん、俺より先にクリフと試合するなんてズルいよ!」
と3人から言われた俺とレリック兄さんは皆に謝り、クラリス兄さんから「俺とも勝負しようぜ」と言われたのだがその時、丁度良くメイドさんが来て「朝食の準備が出来ました」と伝えられたのでクラリス兄さんには「朝食を食べた後にしようか」と言って皆で家に移動した。
そして朝食を食べた後、約束通りクラリス兄さんと試合をする事になった。しかし、レリック兄さんと時と違う事があり何故か観戦客が居た。母さんと婆ちゃん、今日は仕事が休みなのか父さんと本を片手に爺ちゃんも見に来ていた。
ドラグノフとアーリンは朝食の時来てなかったのでメイドさんに聞くと「ドラグノフと妖精の国に行ってくる」と言って出かけたらしい。まあ、必要になったら呼び出せるし良いかと思いクラリス兄さんとの試合に集中することにした。
か、書くことが思い浮かばない……




