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第110話


帰宅した俺達は先に一緒に帰って来ていた姉さん達と一緒にリビングで遊び、母さんが姉さん達に先に宿題やりなさいと言われ姉さん達が部屋に行ってしまったので暇になった。


「う~ん、何か暇だな……」


「なら少し鍛錬でもするか? 我が相手するぞ?」


「う~ん、今はそんな気分じゃないしな……」


「だったらクリフ君、前から回復魔法の勉強したらどう?」


 アーリンからそう言われた俺は、そう言えば結局後回しにして来て全然やれてなかった事思い出し「そうだな、それじゃ婆ちゃんの所に行くか」となって婆ちゃんが居るだろう婆ちゃんの部屋に向かった。

 婆ちゃんは自分の部屋で窓辺の椅子に座って本を読んでいて、ノックし入って来た俺達の方を向き「どうしたの?」と本を置いた。


「ほらっ、前から回復魔法を教えてって言ってたでしょ? 結局、後回しにしてて全然やれてなかったから教えて貰おうと思って」


 そう言うと婆ちゃんは「分かった。それじゃ、裏庭に行きましょうか実戦でやった方が身になるわ」と婆ちゃんと一緒に裏庭へと移動して来た。


「それじゃ、まず最初にクリフは光魔法それか聖魔法のレベルはいくつあるの?」


「えっと……」


「大丈夫よ。貴方が幼少期からリグルと一緒に居たって事は常人の人とは比べ物にもならないステータスを持ってる位分かるわ、私はこれでもあのリグルの妻よ?」


「う、うん……一応、聖魔法でレベルはMAXだよ」


 レベルを教えると婆ちゃんは「やっぱりね。私より高いのは、あの時クリムを救っただけあるわ」と言い一息つくと「それじゃ、クリフにはレベルでは上がらない技術を教えるわね」と言った。


「まずは基本的な治癒は使えるわよね?」


「うん【治癒・再生】と余り使って無いけど父さんを助けた時に使った【解呪】かな」


「そう、ならコレを教えても大丈夫の様ね」


 そう言うと婆ちゃんは行き成り自分の指を一本短剣で切り落とした。これには見ていた俺、ドラグノフ、アーリンは驚き焦った。


「大丈夫よ。ほらっもう新しく生えているから、これは【再生】の魔法を先に使い敵に掴まれてる時や毒を受けた場所を切り落とし、その後の戦闘で支障が来ない様に瞬時に生やす魔法よ」


「……それ、今の僕に出来るの?」


「可能よ。これを使えるようになった時の私の聖魔法のレベルは8だから、MAXのクリフなら出来るわ、最初は自分の指で痛みを堪えながら痛みに慣れると良いわ、冒険者のクリフならこの技は身に着けていて損はない筈よ」


「そ、そうだね」


 てっきり普通に治癒魔法のやり方を習って今より早く治癒魔法が使える様にするのかと思えば、意外と高レベルの事で内心凄く驚いている俺とその横で婆ちゃんの技を見てアーリンが「流石、リグルと一緒に長く生きて人ね。私じゃ、こんなやり方思いもしなかったわ」と言って、その言葉は婆ちゃんに届いていた。


「そうね。私もリグルと一緒じゃなかったら、こんな魔法使える様にならなかったと思うわ、でもリグルと一緒に居ると言う事は危険が伴うって分かったからね。自分の身は自分で守れるよう、最低限の事を見つけていくうちにこうなってたわ」


「でも、それにしたって今のは凄いよ」


「そうかしら? リグルって昔っから好戦的でそこにいるドラグノフ君ともやりあったりしてて、いつも治すのは私だったのその時リグルってば片腕や片足を焼き消されたりしてのよ。そんなのを治していくうちは良かったんだけど女の私を狙う輩も居て人質にされたのも何回もあったわ。その度にリグルに助けられるのも迷惑だと思って頑張ってたら身についてたわ」


 婆ちゃんはそう言いながら「当時は次の日、目が覚めるだけで嬉しかったわ」と言っていた。その婆ちゃんの呟きに疑問に思った俺は当時から爺ちゃんを知ってるドラグノフに聞くと「昔、種族大戦という大きな戦争があった頃の話だろう」と婆ちゃんに聞くと頷いた。


「さて、この話はここで終わりよ。クリフ、私が見せた技一週間後にテストするからそれまでに身に着けて来なさいよ」


「い、一週間?! 短くないッ?」


「大丈夫よ。私とリグルの孫、それに聖魔法のレベル高いんだから出来るわよ。出来なかったら、徹底的に痛みの感覚を忘れさせる訓練をしてあげるわ」


 そう言って婆ちゃんはニコッと笑って家の方へ帰って行った。


「クリフ君、いい忘れてたけどクリフ君のお婆ちゃんも凄い人よ?」


「……一応、どんな事してたか教えてくれるかい、アーリン先生?」


「普通、生物は痛み【痛覚】があるけどリーラはそれが無いのよ。さっきの技で発現させた【痛覚無効】ってのでね」


「それって、どれだけ鍛錬すれば身に付くの?」


「そうね。リーラがこれを発現させれたのはさっきの指を切ったり自分を損傷を100年位続けてかしらね。クリフ君もハーフエルフだから寿命は長いから挑戦してみるのも良いかもしれないわ」


 そのアーリンの言葉に「絶対に無理」と返し、さっきのシーンを思い出し今日は止めておこうと家に帰った。

お婆ちゃんもある意味チートです。痛覚麻痺ではなく無効ですからね。(こんなスキルあれば歯医者にも軽々と行けるのですが……)

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