第109話
ルーネ達とのダンジョン探索は10層で折り返して来た。ドラグノフとアーリンのサポートもあったおかげでサクサクッとダンジョンを進んで行っていたのだが3層を過ぎたあたりからドラグノフ達頼みになっていたので「ドラグノフ、アーリン。これ以降は危険じゃない限り後ろで見ててくれ」と俺が指示を出し、なるべく俺とルーネ達でダンジョンを進んで行くことにした。
ルーネ達のパーティーは上手く構成されていて、リーダーのルーシェは前衛職ルーネは後衛職アンネは中衛職でルーシェは剣士、ルーネは魔法使い、アンネは索敵や鑑定といったパーティーに必要な事を出来るときちんと分かれていた。
「は~、初めてのダンジョンだったけど楽しかったな、魔物も外より出る数が多くて依頼に行く時より疲れちゃった」
「そうだね。私もいつもより魔法撃ってMPが底尽きそうだったよ」
「クリフ君の索敵のレベルが高すぎで自分の索敵能力もうちょっと上げようって考え直したわ」
と3人はダンジョンから出ると感想を述べた。ダンジョンから出ると既に昼頃になっていて姉さん達との約束を思い出し、ルーネ達に「ちょっと先にギルドで待ってて、俺姉さん達と約束があるから」と言ってドラグノフとアーリンはそのままルーネ達と待たせ1人学園に向かった。
なんとか学園の終了のチャイムと共に門に着いた俺は一息つきアイテムボックスから飲み物を出し姉さん達を待った。
「クリフ君、お待たせ~」
「クリフ君、ごめんね。待たせちゃった?」
「大丈夫だよ。ちょっと、この後他の人と用事あるから早く荷物家に持って帰ろうか」
と言って姉さん達の教室に移動した俺達は、2人の姉のロッカーから荷物をアイテムボックスへ入れて姉弟3人で家に帰った。家に着いた俺は、姉さん達の部屋に荷物を置き再度家を出て行きギルドに向かった。
ギルドに着くと休憩スペースの所でルーネ達が喋っているのを見つけ「ごめん、今終わったよ」と言って戻り、俺が持っていたダンジョンで手に入れた素材品を売り報酬を分けた後どうする? となった。
考えているとアンネのお腹が鳴り、そう言えば昼飯食べて無かったなと思い出し「お腹も減ったし、ご飯食べに行く?」と言うとルーシェもルーネもお腹が空いていたようで直ぐに返事を返して来たので皆でご飯を食べにギルド近くにある店へと移動した。
店の中に入り開いてるテーブルへと着いた俺達はメニューが書かれてる表を見て何を頼むか考えているといきなり「ガシャンッ」皿が割れる音が聞こえた。
「ふざけんなよ。何で俺達の取り分がこれだけなんだ!」
「あぁん? そんなの当り前だろ、お前達のランクがCで俺のランクがB同額の報酬なわけないだろ?」
激昂した男と冷静にその男へ言葉を返したスキンヘッドの男、その2人の周りには他にもパーティーメンバーと思わしき人達が座っていて怒っている男同様にその人達も怒っていた。
「お前が俺達のパーティーに入れてくれって言うから入れてやったんだろうが、ダンジョンでもお前だけただ後ろで立って居るだけだったろうが」
「は? そんなの当り前だろ、お前達と行ったの初心者用のダンジョンだろうがこの俺はBランクなんだぞ? そんな低ランクのダンジョンで態々俺が動くわけないだろ」
スキンヘッドの男がそう言うと食って掛かっていた男は「クソがやっぱ流れて
きた奴に関わるんじゃなかったぜ」と言いパーティーメンバーと一緒に店員さんに「すまんかった。皿と飯代それと迷惑料、これで勘弁してくれ」と言って銀貨を数枚渡し出て行く時に他の客に頭を下げて出て行った。残ったスキンヘッドの男も残っている飲み物を飲み干すと店を出て行った。
「あれがギルドで言ってたの」
「そうみたいだね。まあ、でも私達が居た街だったら他の街から来た冒険者との喧嘩ってよく合ってたから珍しくはないけどね」
ルーネがそう言うと出来上がった料理を持ってきた店員さんから受け取ったオーク肉の焼肉セットを貰い食べ始めた。
「あ奴等が我らの所に絡んできたら一発で仕留めてやりたかったな」
「私もちょっと気分悪くなったから、あのスキンヘッドの男滅多打ちしたかったわ」
とダンジョンで待て命令されて少しストレスが溜まっていたドラグノフとアーリンが出て行った出入り口の方をスッと目を細めて言った。そんな2人に「こ、今度はちゃんとお前達にも戦わせるから」と宥めドラグノフとアーリンが頼んだ料理が来た事で少し機嫌を取り戻した2人に俺は安堵し自分が注文した料理を食べ始めた。
料理を食べ終わった後、店先でルーネ達と別れ家に帰宅した。
ギリ投稿出来ました。最近、寝て過ごす事が多くなっていて一日の時間が早く感じます。