第105話
次の日、昨日の疲れが治っているかアーリンに聞くと「大分良くなったけど、今日のお祭りは余り騒がない様にするわ」と言って溜息をついていた。ドラグノフも昨日のアーリンを見ていたので「今日留守番しておくか?」と聞くと「それは、嫌」とアーリンが断固拒否したので効くかどうか分からないが聖魔法をアーリンへと掛けてリビングに向かった。
リビングで家族と一緒に朝食を食べた後、「俺、竜の里の方のお祭りに行ってくるから昼食と夕飯は要らないよ」と言いリビングを出てドラグノフとアーリンに俺に触れて貰いレドルの杖を使い、竜の里の転移先である倉庫へ転移した。倉庫から出ると、遠くの方から賑わっている声が聞こえて来た。
「ちょっと、来るのが遅かったかな? もう、始まってるみたいだ急いで行こう」
「うむ、分かった。アーリンは走れるか?」
「う~ん、ちょっと無理かもドラグノフ頼める?」
「そうか、アーリン。乗るがよい」
ドラグノフがアーリンの前で屈んで背中に乗せているのを見ていた俺は「いつも、こんな風に仲が良ければいいのにな」と思いながらおんぶされたアーリンを確認して早歩きで祭りが行われている方へ向かった。
祭りが行われていた場所は、前回散策に来た時に来た事が有る広場で色んな出店が並んでいたりした。その中を歩いていると、族長の家で俺達の朝食を持って来てくれたりしてくれた人が居て「ドラゴ様があちらで待って居ます。着いて来て下さい」と言われたのでドラゴさんが居る場所へ案内して貰った。
「良かった。無事に来れたのですね。始まりの時に来られていませんでしたので王都の方で何かあったのかと思いました」
「すみません、始まる時間がこんなに早いとは思っていなくて普通に朝食を食べていました」
「あっ、そう言えば始まる時間行ってませんでしたね……すみません、こちらの不手際で、ですがまだ祭りは始まったばかりなので楽しんで行ってください」
「はい、もう何軒かの出店で色々と買わせてもらってます」
「うむ、我もこのドラゴンの首振り人形とやらクリフに買って貰ったで結構気に入ったぞ」
ドラグノフは先程俺に頼んで買わされたドラゴンの形をした首振り人形をアイテムボックスから取り出しドラゴさんに見せた。
「良かった。それはこの里の人形の中で一番人気のある物なんです。ドラグノフ様に気に入ってもらって職人たちも喜ぶでしょう。……所でアーリン様。何処か具合でも悪いのですか?」
「いや、ちょっと昨日久しぶりに仕事したら疲れちゃってね。今日まで疲労が引き延ばされちゃってるのよ」
「大丈夫でしょうか? 疲労でしたら里にあります温泉に入ってみてはどうですか? 効能として疲労回復等がありますので丁度いいと思いますよ」
ドラゴさんがそう言うと「あっ、そう言えば温泉があったわね。クリフ君、私ちょっと入って来てもいいかしら?」と目をキラキラとして言ってきたので「そうだな、どうせならここから別行動するか」と言ってアーリンとドラグノフにお小遣いを渡し、「後で広場に集合」と言って別々に行動する事にした。
ドラグノフは貰ったお金を大事にアイテムボックスへと入れて、直ぐに出店の方へと飛んでいきアーリンは、ドラゴさんの従者の人に温泉まで案内して貰って行った。
「さてと、一人になったし俺も出店でも見て回ろうかな、それじゃまた後でドラゴさん」
「はい、楽しんできてください」
とドラゴさんに見送られながら俺は出店がある方へと歩いて行った。出店には色々とあり、特に俺は食事専門を責めて行った。途中で美味しい物を見つけた時は、作り方を少し聞き後で食べる分として多く買い足したりして行った。
そして、十分祭りを見て回ったところで視界の橋でドラグノフが両手に串肉を持って美味しそうに食べていたので近づいて行った。
「ドラグノフどうだ? 楽しんでるか?」
「うむ、我自分の里の祭り初めてだったがこんなに楽しいとはこれまで来なかったのが損であったと思っていたところだ」
「そうか、まあ今回はドラゴさんの就任祝い的な感じだったが別の祭りがあった時はまた来ようぜ」
「うむ、それには我も賛成だ」
そう言いながら串肉をガッと食べてしまい残った串をアイテムボックスの中にゴミ箱の様に入れて追加で購入していたドラグノフを見て俺は本当に楽しんでるなと思いつつドラグノフのを見ていたら食いたくなり、自分の分の串肉を購入した。
冬休み最後の日を寝て過ごしました。




