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第102話

 散策を再開して直ぐに見つけた八百屋の品物を見ると、前世でよく見た野菜が色々と並べてあった。王都でも野菜は結構見て来たが、ここの種類は王都よりあった。

 俺は、八百屋のおじさんに「それとそれ、あとそれを3つずつください」と言って、大根・もやし・トマトを購入した。値段も安く、前世の食べ物をゲットした俺は喜びながら他の店も見て回った。


「しかし、本当にここって日本の昔の風景に似てるな転生者頑張りすぎだろ」


「そうね。私が呼んだ中にも転生者の子が居たりしたから、ここの里には他の街や国以上に転生者が訪れて、その度に色々としていったみたいだから他の所に比べて発展具合が違うの」


「そうなのか、ってかアーリンってここの里の事結構詳しいよな? ドラグノフより詳しいんじゃないの?」


 そう聞くとアーリンは「まあ、ドラグノフみたいに旅とかしてた訳じゃないからクリフ君が生まれる前はこの里の事をずっと気にしてたからね」と返された。その後、昼頃まで里を見て回りドラゴさんに昼食を食べると言っていたので族長の家に戻った。

 族長の家に戻ると、座敷に長テーブルが置かれていてその上に俺達の分の料理が並べられていた。朝言われていた通りの白飯と焼き魚と豆腐が3つずつ並べられていた。


「おおッ、懐かしい匂いだ」


「うむ、魚は我は生のまま食うのが好きだったんだが、焼いても美味しそうだな」


「私は豆腐の味が気になるわ」


 俺達が座敷に入ると中には料理の匂いが充満していて、俺、ドラグノフ、アーリンと三者違う感想を述べた。そして、奥からドラゴさんが入ってくると「もう既に準備は出来ていますのでご自由にどうぞ」と言われたので直ぐに座った俺達は、手を合わせて「いただきます」と言って食べ始めた。

 白飯は、俺が作った物より噛めば噛む程甘く美味しく、焼き魚もいい焼き加減で塩味が効いている。豆腐も醤油という流石転生者が多く来た里なだけ王都でも探し回っても無かった物がかけられていて懐かしむ様に噛みしめて頂いた。


「ふぅ、美味しかった。しかし、本当にここって日本をイメージして作られてるのか? って言うほど日本仕様だな、転生者って日本人が多いのかな?」


「そうね。転生者の約7割は日本人が多いかしら? どうしてかは、分からないけど日本人の割合は多いわ」


「そうなのか……まあ、そのお蔭でこうして異世界でも醤油と豆腐、米に出会えたって事は先輩転生者達には感謝しないとな」


 そう言って「ご馳走様」と言い箸を置いた俺と同じ様にドラグノフ達も食べ終わり、食器はこの家の使用人の人が片付けてくれたので一度、ドラゴさんに王都に戻ると伝えて倉庫に行き、王都の地下室に戻って来た。


「さて、明日まで時間が出来たが今からこの部屋の改装をしようと思う。途中までは、出来たがやっぱり地下室の第2の部屋って事でもう少し秘密基地っぽくしてみようと思う」


「うむ、我もこの部屋は味気ないと思っておったからそれに賛成だ」


「私も、部屋の飾りつけは好きだから手伝うわ」


「よし、ならまずはこの部屋に合いそうな家具を家具屋で見て回ろう。金ならドラグノフから巻き上げたから沢山あるから気にせずドンドン買って行こう」


 そう行った後地下室から出てきた俺達とバッタリ会った母さんに「ちょっと、地下室の模様替えの為に出掛けてくるね」と言って家を出て行った。

 家を出た後、直ぐに商業区に来た俺達は家具屋をいくつも見て回って地下室に合いそうな物を見て回った。本を入れていた本棚も埃だらけだったから捨てたので新しく買い替え、テーブルや椅子、後は雑貨物を入れる為の箱も何個か買って他に何か買う物無いか見て回った。


「んっ? クリフ君」


「あっ、こんにちはです。アイザックさん」


「こんにちはクリフ君。横に居る人達はパーティーの人達か?」


「あっ、いえ違いますよ。女の子の方は俺の従者でこっちのでかい男は今は人の姿をしていますが従魔です」


「へぇ、人化する魔物か珍しいのを従魔にしたな」


 そう言うアイザックさんにドラグノフが「故奴、我の事を忘れているのか?」と俺に聞いてきた。


「アイザックさん、人化してるの前に父さんが無理矢理連れて行った山に居たドラゴンですよ」


「えっ?」


 アイザックさんは俺の言葉を聞くと驚きドラグノフの方を見ると「久しいの、我の事を忘れたか?」と言うとアイザックさんは「こ、声が一緒だ」と言い驚きが増した。


「大丈夫ですよ。あの時もただ俺と遊びたかっただけですし、今は俺の従魔として契約してので暴れたりしませんよ」


「そ、そうかい……それで、クリフ君達はなにをしていたんだ?」


「地下室を貰ったのでその部屋様に家具を集めていたんです」


「家具か、なら俺の所に良い物があるんだが見に来るか?」


 良い物と聞いた俺は「はい、どんな物か見せて欲しいです」と言ってアイザックさんの案内の下、アイザックさんが経営してる店へと向かった。


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