エクストワールド2
「ぷは ぁあああああ!!うめえや!こりゃぁああ!!!」
「旨い美味い!」
俺とイリスは、昼間から酒を飲み、豪華な料理を楽しみ、この世の春を謳歌していた。
「あっはっは!!!何コレ! 超超面白いわぁ!」
そしてエミリは、魔法使いらしく、新武器を色々と試していた。
一人で超絶高性能魔法ステッキを使い、流れ星を操り、隕石を海に落とし、空に何十何百重の魔法の虹を描いていたり。
そしてまあ、今日、でんちゃん騒ぎも、ひと段落、昨日からの彼是の余韻に浸っていたのだ。
「完全完璧に流れ変わったなぁ!」
微笑ましい表情、愛くるしい肢体、可愛い声質等々、まるで天使のような少女がイリスだ。
「なあぁ! 相棒! 流れ変わったなぁ!」
おまえ、それ言いたいだけちゃううかぁ!と突っ込み待ちぽいが、言わないで置いた。
「はあぁ! 空気すらメチャ美味しくてぇ!わたしは幸せの絶頂領域に居る今だったぁ~♪」
くくるっくくると回りながら、テラスで馬鹿みたいに、まあ馬鹿だがIQ200オーバーだ、が騒いでいる。
「おいおい、流石に堕ちると危ないから、静まれ」
俺は席から立ち、奴の首根っこ捕まえようとするが、逃げられてあかんべーされる。
「へっへぇ! 面白いなぁ!」
「こいつ、俺に手間掛けさせる気かっ」
なんと、イリスはテラスの転落防止用の柵に乗り、お尻ふりふり、俺を挑発してきたのだ!
「うがぁあああああああああ!!!」
俺はそれでも捕まえようと、もう意地になって、飛び掛ると、あれぇ!!
「おっと、危なっ!」
とっさに避けたイリスを素通りして、俺は、、、落ちた。
世界中心塔の、正確には、地上288階から、落ちた、俺は、死ぬ。
堕ちながら思ったのは、あの馬鹿は許さない、それだけだった、走馬灯もクソもない。
「君、幾らなんでも、面白すぎるよぉ?」
100階くらい落ちて、自分がミンチになる予定ポイントに人が居ない事を確認。
安らかに、自らの僅かな生涯を安堵と共に思っていると、耳元で声がした。
「ほら、つかまえたぁ」
ヴァサっヴァサと、何か翻るような、それはマントが旗が、そのようなモノがはためく音のように聞こえた。
見ると、そこには、純白のウェディングドレスのような、何ものにも勝る美しき白があった。
「惚れた?」
余りに壮大に過ぎて、生々しく豪華絢爛で豪奢な、圧迫感すら抱かせる、それは天使の翼であるのだろう。
少女の膂力とは思えない、純粋な力で、お姫様だっこされて、俺は気づいた。
そう、自分がまるで無垢な少女のように、圧倒的にドキドキしてヤバイことに!
「惚れた」
こんなに胸が高鳴り、口ぱくぱくさせて、はぁはあとガチで息を乱している、なんてのは何時以来だ!久々だ!
少し上方を見ると、楽しそうに爽快に笑う、美少女の勇姿だ。
そして前方眼下には、素晴らしきかな、繁栄極まる先鋭的で芸術的な、大大都市で半分田舎な絶妙なる風景が広がる。
「ええぇ!!?なになに!きこえないいい!」
俺は2度「惚れた」と言ったが風圧で、呟きはかき消された。
近未来的で、何処かとぼけたような建築物を縫って縫って、大空をカックして、少女の柔らかい胸を心地良く感じる。
「ふへえぇ」「ふええだねぇ!」
二人で蒼天を堪能して、イリスは疲れたのか、元のテラスに戻ってきた。
「おまえ、そんな天使モードに成れたんかい」
「なれるよぉ、はふぅ」
溜息の後には、翼は幻のように消え去っていたが。
元に戻ると、なんだか威厳がなくなり、元の天才ちんくちりん少女になってしまたが。
「おいコラ、仕返しだ」
「あやん!」
だから、俺は苛めてやることにした。
頭コツンとやって、俺が偉いんだと示すかのように、近づいて身長差で見下す。
途端に涙目になり、頭押さえつけて、直接、その涙を舌で舐め取るように、嫌がるのも構わず、ぺろぺろして完全に陵辱の限りをつくそうとする。
「いやいやぁっやめてよぉお!!」
「ふは、ふはは、俺が完全にお前を、イリスを支配してやるんだ!!」
嫌がる少女を手篭めにするような行いは、もう楽しくてやめつきになる。
ふえーんふえーん言っているので、まあ、そこそこで止めるのだが。
「ふぅ、満足した、最高だったぞイリス」
俺の胸の中で、なんだかぐったりしているイリスは、「ふへ、へけぇ、ふぇえ」とか、へたり切った声で呻いている。
もうこんなの、完全なるペット扱いが極まりすぎて、至極、支配欲嗜虐欲征服欲に陵辱屈服欲満たされる訳で。
「しかし、こうなると、もっと勝ち気な、強気娘とかを、こんな風にしたくなるな」
そうなのだ、イリスは元気娘で、どこか従順なところもあり、やはり今一、屈服させ甲斐が微妙。
もっと、跳ね返りのクソガキの様な、高慢で不遜で不敵、幼女と少女の中間のようなキャラクターが必要だ。
「ああ!!!あんた!イリスになんて事してるのぉ!!まさかぁっっ!おっ犯したのぉお!!!??????」
居た、居た居た居た!!
「エミリちゃん!みっけぇえええええええええええ!!!」
テラスのドアを開け放っている少女を、俺は直ぐさま捕まえた。
「あきゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
ぎゅぅう!っと抱きしめると、この世の終わりのような、高い電波断末魔で叫ばれる。
「ちょっ!ちょっぉおおお!なに!なに!!??」
「エミリちゃん!一生のお願い!!俺に屈服させられてくれぇえええええええええ!!!」
「うえぇええええええええええええええ!!!!!!!」
頭ごしごしして、頬すりすり、もう大変猫可愛がって、懇願する。
でも嫌悪か何かで、折角の超絶美少女フェイスが大変歪んでも可愛いエミリが驚嘆している。
「だっだれがぁ!あんたなんか屈服させりゃっ!りゃぁあ!!にゃああああああああ!!!舌噛んじゃったよぉ!!うええええええん!!!!!!!!」」
ふえーん!っとびえーんと、途端に堰を切ったように泣き出す少女。
俺は流石に不憫と思い、力緩めるが、それは甘かったのだろうよ。
その一瞬で、拘束を解き、エミリは俺にアッパー気味に攻撃を繰り出して、俺が回避に気を取られている隙に、テラスの外側の空間に逃げ出したのだ!
「おお!エミリちゃん!さすが!
俺の嗜虐心をそそって、その果てに獣のように支配されたいんだねぇ!!!」
「っ!!この!!!変態変態!変態! 殺してやるぅうううううう!!!!」
エミリちゃんが、俺に猛然と迫り、とび蹴り、空中で二回転半の、超絶大振りの攻撃を仕掛けてきた!
だが俺もさるもの、お馴染みの無形の構えで、奇跡のような変化中段で迎え撃つ。
結果は、相殺、後の、俺の組技であり、そこでは体格の差がモノを言う、俺はエミリちゃんの身体を絡めとり、押さえつけたのだ。
「ふえええぇ!!ふえええ!!!やっ、やめてぇ!!うーーえええん!!」
「大丈夫だよ!大丈夫だよ! 別に悪戯したりしないよぉおおおお!!!!」
エミリちゃんの頭なでなで、怖くないよと、耳元で囁くようにすると、途端に暴れようとするので、もっとぎゅうっとする。
すると、エミリちゃんは、頬を赤くして、くたりと、弱くなってしまった。
「ふへ、へけ、、、」
「どうしたの?」
またゾロ罠か?と思ったが、様子が変なので問いかける。
すると、エミリちゃんは涙目で、俺はそれが可愛そうで、目尻を舐めて、涙をぬぐってあげた。
たぶん、嬉しかったのだろう、その瞬間後、うえうえふぇんふぇん、はうはうくすんくすん、良い感じに泣いていた。
「エミリちゃん、良かったね」
「はうぅ!つっう!この!!全くよかないのよぉ!!わぁあああああ!!」
また暴れようとするので、また優しく、その無垢で綺麗な柔らかい身体を抱きしめてあげると、
「あみゃぁ!!!!!」っと、鳴いて、エミリちゃんは舌突き出し、ビックリしすぎて、目を回したようになる。
「この隙に、もっとエロいこと、しちゃおうかな?」
その後、何かばふんと音がするくらい、顔が真っ赤になって爆発して、
ぷすぷす身体全体がショートするような有様、が展開されたとか、しなかったとか。
「変態を殺しますぅうう!!!」
「そうだそうだ!殺せ殺せ!!!」
だいたい十分後、二人が高性能っぽく直ぐに復活して、俺に殺意を向けているんだが。
「まあまあ、落ち着いて、まさか、少女二人に思われて、甘く甘美な恋の鞘当に遭遇するとは」
キンキンと、二人の二刀の剣を、俺も己の二刀の業物で防いでいるわけだが。
「ううぅ!!!乙女の純情を弄んで!」
「許さないぞぉ! 絶対に仕返しするぅう!」
俺はちょっと考えて、無防備に刀を放り投げた。
当然、二人の刀が俺に迫り、両首の脇、ジャスト一ナノメートルで停止する。
「ほら」
俺は手を広げて、二人を見やる。
「しかえし!!!カモンカモンカモン!!!!!!!!」
俺の様相に一時、少女達はぽかんと、露出狂に遭遇したまんま反応を見せる、が。
「やってやるわよぉ!! イリス、あれ使うわよぉ!!!」
「よし来た! フォーメションδでいっくよぉー!」
二人は両脇に寄り添い、俺のわき腹辺りに手を添える。
俺は何されるのか、ドキドキわくわくしていると、、、、次の瞬間には世界が反転していた。
「アッああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
それは、擽り、などという生易しいものじゃない。
後ろを貫かれた、貫通経験のない俺が言うのも難だが、それくらいの衝撃、衝動はあった。
最後におまけにと、二人はスタンガンのようなモノで、
てちょ、それって殺しに掛かってませんかっアぁああああああああああっ!!!
「反省したかしら? もう、おいたしないかしらぁ?」
「分からないよぉ、むしろ、喜んでるかもしれないよ?」
俺はテラス地べたにへたり込み、少女二人に頬をツンケンされていた。
余りにも、そう、余りにも、ダメージが大きすぎた。
この二人は、たまじゃなく、やり過ぎるのだ。
メンヘラ少女が、最終手段、刺す、噛み千切る、くらいの、マジでヤバイくらいの領域、一歩半歩手前なのだ。
「くそぉ、R18以上なら、俺にも確実なる勝機がぁっ」
二人は、俺の冗談に直ぐさま警戒して、どこかへ行ってしまった。
と思いきや、テラスを覗く形で、俺が何するか部屋からチラチラ見ている、こっち見んなよぉ!
そう、俺の手元には、ガチ犯罪者御用達、
観測者特権”R18解禁‐ハラスメント壁無効化カード”が閃いていたから。
「ふっふ、ここからは、大人の時間だ、少女の喘ぎと絶望の啜り泣きが支配する時刻。
観測者特権発動!、「「”エッチなのはいけないと思いますぅ!絶対R15禁制!”発動!!!」くっ!!!」」
そうきたかぁ! 俺の発動する力場と、少女二人の力が均衡して、そして。
「ふっはっはっはは!!!」
「ふえーん!」「ふえええん!」
俺は両手に少女を抱きかかえて、大笑いしていた。
「そうだぜ! R15なら、この程度はオーケーだろ」
二人の柔らかい頬を陵辱し、髪の毛をはむはむして、お尻を撫でるくらいお手のもである。
二人とも嬉しそうに「ふえーんふえーん」言っているので、俺も嬉しい限りだ。
「うえーん! くやしいょお!」「くっっううう!! いやだよぉ!! もうぺろぺろしないでぇええ!!」
勝者は敗者に、なにをしてもいい! この世の摂理を思い知れぇえええい!!!
俺は超絶ハイパーに調子の乗って、嫌がる少女を抱えながら高笑いしていたのだ。
その高笑いを聞きとがめたか、天上から雷が落ちた。
「アびゃ嗚呼ああああああああ亜嗚呼あああああああああ!!!!!!!!!!」
俺は真っ黒焦げになり、その場でひっくるかえる。
「あら、駄目じゃないの、わたしの断りもなく、幼女達を手篭めにしたらぁ」
その声は、テラスの外側でなく、建物内、テラスの入り口からした。
ちなみに「幼女じゃないぃ!!!」と二人は主張していた、確かにそれはそれで微妙な意見であるのだ。
ちなみに、俺の意識は無いのであるが。
「さて、ここは、わたしが彼に代わって、貴方達に悪戯するパターン?」
値踏みするような目を向けられて、少女二人は俺の身体を揺さぶって、助けを請うように「ふへぇ」とか「へけぇ」とか涙ながらにへたれ声出す。
「あら、この空間はっ」
テラスから、絶望の響きのような、冷たいコツコツとした靴音と共に迫る女は、なにか違和感に眉顰める。
「なるほど、さて、コレは、、、」
女は歩みを止めず、胸ポケットから、がさごそ、幾枚かのカードを取り出すような素振り。
「、、、あら、あらあら、、R18から25が、切れちゃってるわ、てへぺろ☆ってねぇ」
悩む、それは、客観的に見て、白々しい、振りで演技。
「うーん、どうしようかしらぁ?、、、まあ、、、余り使いたくないけど、しょうがないわね。
R30解禁‐超絶エロエロ触手陵「「「アウトおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」
俺は流石に立ち上がって、絶叫する。
「あら、生きてたの? 死んでるものかと」
「馬鹿やろう! 俺があんなんで死ぬか!」
「ところで、どいてくれない? 、、」
なぜか、そこで間をおいて。
女は上を指差した。
続いて、聞き覚えのあり過ぎる、絶叫。
「っ、おっおおっお兄ちゃん!!!!どいてぇー!!!そいつら殺せないぃいい!!!」
ずばぁあああああああああああああああっと。
聖銃撃が、辺りを貫いた。
その数、合計26本。
十字架型の、超大型の射出弾頭が、聖なる輝きを纏って、駆け抜けたのだ。
「ところで」
俺は女に問うた。
「お前は、レイアか? シャルか? それとも、」
女はフッと笑った。
「さて、誰かしらね?」
漆黒に禍々しい、笑顔に相応しい、同色の刀剣を取り出して、女は辺りを睥睨した。