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89 ふしぎなクリ 【童話】 そらた

くりは、だれがおいたんだろう。


ぼくは、おかあさんといつもいくこうえんへのみちで、ふっくらとしたおいしそうなくりをみつけた。


あのいがいがのとげはなくて、くりのみだけがみちのうえにおいてあったんだ。


「おかあさん、くりだよ」

「まあ、ほんとね。不思議。こんなに立派な実がひとつだけ落ちているなんて」


ぼくはかんがえてみた。


スズメさんは、からだもくちばしもちいさいからくりをはこぶのはむりだよね。


だとしたら、カラスさんかな。カラスさんはあたまもよくて、かいがんにすむカラスさんたちは、かいをそらのうえからおとしてわるってきいたことがあるよ。


でもそうだとしたら、もっとこんなにだれでもみつけられるところじゃなくて、ちがうところにおいておくきがするし、もうくりのみはわれているんじゃないかなあ。


いろいろとおもいついてはみるけれど、これ! っていうのがみつからないや。


そうしていたら、ざわざわとくりのみのたくさんなっているきがかぜもないのにゆれた。


ぼくがきをみあげると、なんと! ちいさなつのがはえたみどりいろのはだのオニがいた。


『おいらはゴブリンだよ! そらたくん、くりはおいらからのプレゼントさ』


オニがぼくのなまえをよんだので、びっくりした。


「どうしてぼくのなまえをしっているの?」

『ふふふ、おいらもミコちゃんとおともだちだからね』


ミコちゃん! ぼくのたいせつなおともだちだ。


『おともだだちのおともだちは、やっぱりおともだちさ。だからそのくり、あげるよ』

「そうなんだ! ゴブリンさん、ありがとう!」


ぼくがくりのみをひろってゴブリンさんに手をふると、おかあさんが笑った。


「そらたは、また私には見えないおともだちを見つけたのね」

「うん! ゴブリンさんだって。ミコちゃんのおともだちだって。だから、ぼくもおともだちだよって、このくりをくれたんだよ」


ぼくは、ピカピカにひかるくりのみをたいせつにポケットへしまった。


「じゃあね、ありがとうゴブリンさん」

『うん、またね、そらたくん』


みちのふしぎなところにおちていた、ひとつのくりのみのわけがわかって、ぼくはすっきりしてこうえんにいくことにした。

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