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おまけ01:その後

「それにしてもあれだな。この格好はなんとかならないもんかね」


 リリセラも悪魔になったことだし、俺とノイエの2人きり(?)になったから町を出たのは別にいいんだけど。

 この格好はどうだろう。


『? いつも通りのご主人じゃないの?』


 リアカーを引く俺にアンコが答える。いつも通りだと。


 いや、さ。

 そうなんだけどさ。


「でも、これ夜逃げみたいじゃん」


 生活に必要な荷物積んで、リアカー引いて、傍目には女と2人。

 どうみても昭和とかの夜逃げだよ、これ。


 これでも一時は神様みたいな扱いされていたのに。

 どうなの? これ。

 まあ、場所によっては今でもされてるけど。


 トカゲがいた頃はよかったな。

 馬車を引かせて、御者なんかしちゃってサマになっていたのに。


 今じゃこの有様だ。


「まあ、いいじゃない」


「よくねーよ。じゃあ、ノイエが引いてくれよ」


「後でね」


 舐めんな。

 後ろに乗って悠々自適しやがって。

 振り落とすぞ。


『夜逃げでもいいじゃないですか。トーヤ様が新しい子を飼うのを嫌がったんですから』


「そうだけどさ。なんとなく愛着が湧いたんだよ、あのトカゲ」


 20年以上も一緒に居たから。

 だから、死んだからってほい次の。みたいな事はしたくなかったっていうか。

 そういうのってあるじゃん。


 っていうか、元々お姫様だったリリセラが夜逃げって言葉を使うと違和感すげーな。

 俗世に染まりすぎだろ。

 俺のせいか? 俺のせいだな。

 多分、この数十年で言葉を覚えたんだろ。つまり俺のせいだ。


『ご主人ご主人、それでどこに夜逃げするの?』


「夜逃げみたい、で夜逃げじゃねーから」


「この辺りはまだ知ってる土地だから、何か問題を起こして逃げるのかもって邪推されちゃうかもね」


「だから、夜逃げじゃねーから」


『周りの町に声は掛けていかないのですか?』


 うーん、どうしようかな。

 正直、もう知り合いみたいなのは殆どいないし、荷物も問題ないし、すっぱりと次に行ってもいいと思うんだけど。


「まあ、適当に進んでいって、なんか町を見つけたらちょっと寄ってく感じでいいだろ」


「つまり、何も考えてないのね」


 はい、その通りでございます。


『いいんじゃないんですか?』


『つまり、いつも通り』


 まあ、なるようになるだろ。

 どこか目的があるわけでもないし、だらだら行こう。

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