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あれからちょうど1週間が経った。
屋敷内はリアムを受け入れるために少し慌ただしくしていて、いつもはアルフレッドと会う日である今日は、リアムが来る日だからと、別日に変更された。
ロゼッタとしては、女の自分よりも、性別が同じリアムの方が心を開いてくれるのではないかと思っているから、彼の訪問日が今日でもよかったのになとは思っている。
しかし、色々事情もあるのだろう。あまり深く考えないようにした。
昼過ぎに馬車が屋敷に到着した。
3年ぶりに会うリアムは前に会った時よりも身長が伸びていて1歳の差なのに少し大人にみえた。
「叔父様。ご無沙汰しております。しばらくお世話になります。よろしくお願い致します。」
「久しぶりだね。そしてよく来てくれたね。長旅で疲れただろうから、ゆっくりしていくといい。」
彼はエドワードに挨拶をし、母にも挨拶をした。久々に会うリアムに少し恥ずかしく、母の背に隠れる私を見て彼は笑った。
「ローズ、久しぶりだね。元気だったかい?…少し小さくなったかな?」
リアムは おいで というかのように両手を広げロゼッタを向かい入れた。久々の再開に、ハグに少し恥ずかしいかった。しかし、幼い頃のように同じ背丈ではなく、ロゼッタより大きくなったリアムに、幼い頃の3年の月日とは随分と人を成長させるのだなと経た月日の長さを実感することとなった。
「リアム、久しぶりね!私が風邪をひくとでも?私だって成長してるわ!リアムが大きくなりすぎなのよ……」
「そうかな?僕としてはローズに抜かされる心配をしなくて良くなったから安心してるんだけどね」
「まぁ!少し背が高くなったからといってこれからはわかりませんわ!」
リアムとロゼッタが言い合っている姿を微笑ましく見ていたアリシアとエドワードであったが、2人に声をかけた。
「リアムも疲れているだろう。今日は1度休みなさい。それと、ローズ。明日はアルフレッド君を迎えに行こう。朝はそのつもりでいてくれ。せっかくの機会だから、リアムも彼と交流を深めるとよい。」
リアムは一瞬考えるような素振りを見せたが、直ぐに分かったのか、
「あぁ、以前お話して頂いた……」
とだけ呟き頷いた。