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前回までの内容に1部加筆、修正がございます。
それから1週間に1度のペースで彼と会うことになった。
それはロゼッタの望みでもあったし、父の計らいでもあった。
ロゼッタは前世の時に愛した彼と同じ色を持つ、いつも仄暗い目をしているアルフレッドを放っておけなかった。
過去の自分と同じ目をしていたからでもあるかもしれない。
彼と同じ色を持つなら、深く関わりすぎるなという心の声を無視して、積極的に話しかけていた。
その効果があったからか、以前よりロゼッタの言葉に反応を示してくれるようになった。庭へ出たり、共におやつを食べたりしていた。ロゼッタは1週間にあった出来事を話し、話のネタが無くなると好きな本についてなど、様々なことを話した。徐々に反応は良くなっているが、それでも十分とは言えず、ロゼッタは何度も、挫けそうになった。
本気で私のことが嫌いじゃないのかしら?なんて思う時もあった。
父は予定がなければ、私たちの様子を見に来てくれていた。
今日も予定の合間に来てくれていた父が思い出したかのように言った。
「伝えるの忘れていたが、来週からリアムがうちに来るから、ローズもそのつもりでね」
リアムはロゼッタの従兄弟にあたり、現在は父に代わり領地を管理している叔父のもと、つまり、オースティン領で暮らしている。
「まぁ、彼がいらっしゃるのですね。3年ぶりくらいかしら。でも、どうしてこちらへ?」
父はアルフレッドの様子を見ながら言った。アルフレッドは少しびっくりしたような顔をしていたが、直ぐに元の無表情になった。そして興味ないという感じで違う方向を見始めた。
「リアムがどうしてもローズに会いたいって駄々をこねたみたいで…というのはあるけど、彼ももうそろそろ学校へ通う年代だからね。それの準備も兼ねているんだ。オースティン領から通うには少し遠いからね。」
「私も久々にリアムに会えるなら嬉しいわ!それにしても、お父様!伝えるのが遅すぎますわ!」
少し拗ねたように頬を膨らませるローズに父は苦笑いをし、アルフレッドは横目に少し嫉妬心を覗かせたようであった。
お父様が用事があるからと帰ってからというもの、アルフレッドは以前と同じように、ロゼッタの話に全く反応を返さなくなった。特にリアムに着いて話そうとするとどこかへ行ってしまう。最後までちゃんとした話も出来ず、お開きになってしまった。
話をしようとする度に一瞬合う瞳がどこか嫉妬の感情を含んでいる気がした。そうであればいいけどなぁ。とロゼッタは心の底で思った。