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思い付きで書いているので不定期です。
成り行きが思い浮かびしだい更新していきます。
2019/11/23 一部加筆 修正
しばらくロゼッタはエドワードと話をしていた。学校の話や友達の話とか、些細なことでもしっかり聞いてくれるため話し込んでしまい、気づけば夕食の時間だった。
「ローズ。どうでしたの?エインズワース伯爵家の御子息は。」
母であるアリシアは夕食の際、ロゼッタに尋ねた。母としても、娘が婚約者と上手くやって行けるかが心配であったのだろう。
「そうですね。まだお話をしていないからわからないわ。でも、きっといい方よ。」
ロゼッタは無難な言葉で返した。
「そう。良かったわ。お母様実は少し心配で…。エインズワース伯爵夫人との約束なのよ。ローズの婚約は。ごめんなさい。昔のことだし、もう時効なんだけど、やっぱり約束は約束だし。本当に嫌ならお母様やお父様に言って頂戴。流石に押し付けられないわ。こればかりはね。」
アリシアは安心したような顔を見せ、微笑んでロゼッタと目線を合わせた。なんだかんだで娘の幸せを望んではいるのだ。そして、彼女には分かっていた。こう言えばロゼッタは嫌とは言えないという事を。
「お母様。私は大丈夫よ。だって貴族であるから、政略結婚は当たり前だし…私、負けないわ。何があっても」
「今度こそ」
最後の言葉はアリシアには聞き取れなかった。ただ、あぁ、この子はまた、私よりも大人な顔をしているわ。と思った。時々、この子は本当に10歳なのか分からなくなる。苦を乗り越えたような顔をしているからだ。そんな事とは知らないロゼッタは年相応の無邪気な笑顔で
「本当にダメだと思ったらお母様、私を助けてね?」
と言った。
「ええ、もちろんよ〜。お母様はローズのためならなんでもやるわ。だから、本当に辛くなったら言うのよ?絶対に一人で抱え込まないで、貴女は一人で悩むタイプだから心配だわ。お母様じゃなくても、お父様でも、お兄様でもいいの。わかった?」
アリシアはさっきの空気が嘘のようにいつも通り明るい口調で言った。ロゼッタには、彼女が本気で言っていることは分かった。それでも、迷惑はかけられない。出来るところまでは自分で解決しようと、二度目の命を授かったときに決めていた。
二度と誰にも依存しない。執着しない。
そうする事で二度とあの悲劇を起こさないと。
「お母様ったら。わかっているわ。だっていつも同じこと言っているんだもの。」
ロゼッタはくすくす笑いながら、分かっているわよ。と何度も言った。アリシアは何度言っても足りないと思っているから何度も言っているのよ。と思ったが、言わずに
「それもそうね〜。ローズは聡明だもの。でも、その聡明さがお母様は怖いの。いつか、何も言わずに一人で去って行っちゃうんじゃないかって…」
流石にそこまではしないわ。と言おうと思ったが、今の自分だったらやりかねないのかもしれないことに気づいた。彼女にはお見通しって訳か。なんて思う。
「やっぱりお母様には敵わないわ。」
まるで、肯定するような返事をロゼッタはするしかなかった。