プロローグ
12/8 一部修正しました。
主に口調を変更しました。
恨んで憎んで殺しなさい。
貴方に恨まれて死ねるなんて本望ね。
だって一生は貴方の心から消えることがないもの。
来世もきっと…
これは前世の私。
最後は最愛の人の手によって生を閉じた。
私は貴方が取られると思い、取られる前にと貴方の前から消した。残酷な方法で。私には貴方しかいなかったのに私から離れようとする貴方が悪いの。そう言うとあなたは怒って…いいえ、怒る?そんなものじゃないわ。憎悪の篭った瞳に私を映して睨んでいた。いろいろな負の感情を私にぶつけて。私だけを映して。殺されようとも十分だったわ。貴方が私だけを見てくれたことが嬉しくって心が震えたもの。狂っている?ええ、私も思うわ。でも、あの時はきっと仕方なかったの。私には貴方しかいなかった。産み親には先立たれ、私を引き取った叔父は私に無関心。叔母は私を愛人の子と思い、罵倒と暴力の日々。義兄妹は私を虐めた。そんな中助けてくれたのは貴方だったから。
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今世の私は前世の記憶を引き継いだらしい。でも、幸運なことに、両親からの愛情を沢山与えられている私は前世の記憶を持ちながらも性格が歪むことはなかった。何より前世の環境は異常だったということを知ったわ。
今世の私は前世とは違い、お父様と同じ真っ黒で艶やかな黒髪。お母様とお兄様はきらやかな金髪。家族みんな過保護で優しいくて、戸惑うくらい私に甘いの。
まぁ、こんな感じの家族に生まれた私は、優しい家族に見守られて、生きてきたわ。故に前世の二の舞にならなかったと思うのよ。
そんな私は今年で10歳。前世の私はとても頭がよく今世の常識や歴史(私が死んでからの歴史は別)はあまり変わっていなかったので難なくできそう。
でも、人間関係に関しては不安だわ。もし前世のように依存してしまったらどうしようと思うの。私は過去の記憶がある以上そうなってもおかしくないから…。