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私のなすべきこと  作者: 睡華
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片言

更新が久方ぶりになってしまい、本当に申し訳ございません。


引き続きお気に入りにしてくださっている方全てに感謝します。

本当に有難うございます。

女将さんは目をぐっと閉じ、手を握っている。

手を握り、何か堪えるような、覚悟を決めるように見えた。




目を開いた女将さんがまっすぐこちらを見る。




恨み言が出るのか、罵倒が出るのか…どちらにしろ罵られる覚悟をし身構えていた私に聞こえてきたのは、全く別の言葉だった…。




「その男のしたことが正しいかといわれたら私は頷けない。男なら、はっきり行動しろ!!って思ってしまう質だからね。私は…。


 そして、さらにあんたがしてきたことも全く理解が出来ない。 思ったままを言わせてもらえば虫唾がはしる。

 最低だ、本当に。そして、そんなあんたに巻き込まれたあんたのお腹の子どもが本当に一番の被害者だ。


 今すぐ、顔も見たくない…、って言いたいんだけどね…。


 でも、私の知っているあんたとこの男のいっているあんたが私の中では合致しないんだ。


 私の知っているあんたは…一生懸命で、いつもお腹の子どものことを大事にしていて、愛していて…。

とてもじゃないけど同一人物だと思えないんだ。


……………。」





言葉を捜すように、女将さんの話が止まる…。






「私は自分で見たものだけを信じることを信条としてるからね。

 人から聞いたことを鵜呑みにしない。

 自分で見て、自分で感じて、信じる。



 それが私の今までも、これからもな生き方なんだ。


 あんたは立派なこの店の一員だ。


 あんたはいたいだけ、ここにいていいんだ…。

 状況でも、周りが決めるんでもない。

 あんた自身が決めるんだ。



 あんたは此処を出て行きたいのかい?」








 「いいえ…、いいえ………。」

 女将さんの話を聞いていたときから感じていた不安や期待感がワッと涙となってあふれ出し、片言でしか返事が出来ない…。


 初めて、はじめて『私』を知って受け入れてもらえたと思った。

 

 この身体の過去を背負っている私を丸ごと…いてもいいと言われたような気がした。




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