俺のショートショート10
掲載日:2026/10/20
老婆は目を覚ました。余りに外が騒がしい。耳が遠いはずの自分にも、はっきりとわかるぐらい。祭りが2つ3つ同時に開かれているのかと思うぐらい。カーテンの隙間から、外を見る。
逃げ惑う男、女子供。追いかける黒ずくめの男たち。燃え上がる家々。自分が眠っているうちに、何が起きたのか。恐らく遺体なのだろう、地面にうつぶせになっている人の姿も見える。
この家も危ない。どうすればいいのか?確かベッドの下に………。
あった、これだ。最近亡くなった夫が使っていた猟銃だ。この状況では、手元にこの猟銃があるだけで心強い。扱い方など、一切わからないはずなのに。
ドアがガチャガチャ鳴らされる。銃をもって身構えようとすると、耳元で大きな音がした。
家の中に入ってきた男たちは一瞬猟銃を手に身動きしない老婆の姿にたじろいだものの、それは本当に一瞬だけですぐにめぼしいものを手にすると、次の家へ向かったのだった。




