2-2. 古代:エルフ
エルフの外見的特徴については言及する必要も無いでしょう。尖った耳で、男女共に痩せ型の美形揃いです。
この世界において、エルフの寿命は500年から1000年程になります。
大陸の南方、温暖な地域の森林に住んでいます。平地には住みません。森林の中で狩猟採集生活を営み、自給自足を旨としています。かつての日本のまたぎのような能力で、森林内では殆ど無敵です。気配を消し、痕跡を追跡し、弓や罠や魔法で獲物を仕留めます。
その生活は森林との共生関係と言って良いでしょう。狩猟や採集や間伐を通じて森林内の多様性を維持しています。森の木や草を間引いて植生を維持し、獣を間引いて生態系を維持します。
またエルフにとって重要な木や草を殖やして世話をします。しかしそれは半放置であって栽培ではありません。例えば栗や山葡萄やオレンジの木を殖やしていますが、畑を作って栽培している訳ではありません。
【メタ註:日本の里山の概念に近い】
主食は栗と団栗です。煮る、焼く、粉にして練って焼いてクッキーにする、などの食べ方があります。
その他、狩猟や採集で得た物は比較的何でも食べます。山菜や野草、木の実、茸、鳥や獣の肉、魚、など。変わった所では狩りの獲物の血も調理して食べます。虫も食べます。基本的に野生児です。
血の食べ方としては、現代で言う所の生理食塩水で薄めるとゆっくり固まってプリン状になるので、それを匙で掬って食べます。またドロドロになるまで煮込んで、内臓や肉を入れ、ハーブで臭みを消してコクを出した具沢山濃厚スープ、という調理法もあります。この血食によって塩分を補給します。
甘味としては、蜂蜜や山葡萄、オレンジなどの柑橘類、ざくろがあります。
特筆すべき物として麹の活用があります。森林の中に自生する麹菌を採取、団栗と混ぜて醗酵させ、味噌のようにして食べます。
【メタ註:日本以外で麹が自生するのは不自然極まりないのですが、日本人としてはどうしても麹が欲しいのです】
産業としては狩猟、採集、製薬、木工、衣服、製鉄などが挙げられます。農業はしません。
狩猟では、狩場は森林内に限定され、平地には出ません。森林の鳥獣と魔物を狩ります。魔物は食べませんが。弓や槍による狩猟と罠による罠猟を併用します。
採集では山菜や野草、香草、木の実、茸、果物などを採ります。
薬は漢方薬に近い。
木工は、家具や建築物、食器や弓矢その他の道具類です。
衣服は麻と革で自給自足しています。麻は亜麻です。
【メタ註:麻と言えば日本では大麻を指しますが、ヨーロッパでは亜麻の事です】
【メタ註:中世ヨーロッパではベッドリネンやテーブルリネンなどあらゆる場面で亜麻が使われていたようです】
製鉄は、砂鉄と炭から少量の鋼を作って、道具の材料にしています。
【メタ註:日本のたたら製鉄に近い】
古代エルフの社会は小国寡民が基本です。種族全体としては集落の集合体となっています。全体を束ねる王は居ますが、他種族との外交官に近く、内向きの権力は小さい。国税は無く、集落毎の自治が基本です。
エルフ全体としては自然崇拝がその宗教観の基礎となります。つまり自然や現象そのものを神と考えて崇拝対象とします。また森と一体化する事で神に近付く事を目標とします。農業をしないのはそう言った思想的な理由もあります。
そして集落の長を指導者として、森に害を与える行為を禁忌としています。




