5-8. 人間の時代:商人自治区の誕生
王国の分裂からおよそ200年が経ちました。王国と共和国の貿易は拡大の一途を辿ります。そのため貿易中継地が発展しました。
中継地点は名目上は王国の領土でしたが、商人の街として栄え、納税の代わりに自治が認められました。
基本的には王国の貴族と共和国の商人との仲介をする場所です。中継地として宿泊業が発達しました。住民は商人が中心でしたが冒険者も居ました。政治的には豪商による合議制で治められていました。
時代の経過と共に王国と共和国との関係も変わり、共和国に別荘を持つ貴族が現れるようになりました。商人自治区が仲介して実現させた案件です。避暑と観光が目的でしたが、身分の堅苦しさからの解放が一部の貴族に人気を博したのでした。
なお国家間の外交や出国入国という概念はありません。
教会も動きました。
王位継承を巡る王族との対立から、教会本部は王都を離れて商人自治区へ移されました。そして商人自治区にも修道院を作り、物流と物品売買の権利を商人ギルドとは別に確保しました。
教会の歴史では教会本部の移動が最後の大きな話題です。この後は大きな事件は無く、平和な時代が続きます。
しかし安定した事で教会の意識は内側を向く事になります。つまり派閥争い、足の引っ張り合い、賄賂の横行、権威を背景とする寄付の強要。そして貧者救済も縮小されていきます。
教会はゆっくりと腐敗していったのでした。




