5-3. 人間の時代:ギルドによる平民統治
王国が発展し、ギルドと呼ばれる組織が確立すると、都市に住む平民は全てギルドへの所属を求められるようになりました。ギルドに所属すると費用を払わなければなりません。これが貴族であるギルド長の収入となります。
ギルドへの所属を強制する為、ギルドに所属していない都市民は物品や労役の対価を受け取ってはならないと定められました。違反は懲罰の対象となります。その裏付けはギルド長である貴族の権力です。
但し影響範囲は都市のみ。農村など都市の外は対象外とされました。しかし農民が都市内で何かを販売する場合には都市民に準じた規則の遵守を求められます。そのため農村で作られる換金作物などは行商人が買い付ける形が一般的になりました。
そしてギルドは基本的には都市毎に独立した組織になります。これは都市間の通信手段が限られている事によります。
商人ギルドについて。
商人ギルドのメンバーは3種類があります。
1. 商会長。住所の登録義務があります。不特定多数への売買が許可されます。そしてギルド長即ち貴族への紹介状購入の権利が発生します。つまり平民が貴族に面会するにはお金が必要と言う事です。また都市間の取引は禁止されます。
2. 商会員。どの商会長の下に就いているのかを登録します。
3. 行商人。商会以外への売買は禁止されます。一般客との取引は禁止と言う事です。従って露店を開く事も出来ません。但し市場と祭りは例外とされました。市場への出店は場所代が必要で、祭りの場合は教会への寄付を求められます。特筆すべきは通行手形の購入の権利がある事。通行手形を持っていれば入都市税は減免されました。
同職ギルドについて。
同職ギルドは職業毎に設立されたギルドの集まりです。
同職ギルドの業務は主に2つあります。
1. 親方株の販売と更新。
2. 徒弟制度の強制。親方は弟子を取ります。そして弟子を取れるのは親方のみです。
作った製品等の取引は紹介制となりました。直接取引したければ紹介が必要です。一般客への販売は商人を通さなければなりません。これは営業的なトラブル防止の意味もあります。取引でトラブルが発生した場合にはギルドが仲裁します。
冒険者ギルドについて。
冒険者ギルドは農村等から来た食詰め者の管理の意味があります。登録に当たって制限はありません。義務も基本的にはありません。通行手形を持っていない都市入場者はまず冒険者登録を斡旋されます。
冒険者ギルドの業務は多岐に渡ります。
・仕事の斡旋。冒険者は依頼を受ける際に斡旋料を支払います。
・依頼の受付。報酬は依頼の完了時に冒険者へ直接支払います。
・トラブルの仲裁。冒険者の素行不良に対する叱責も含まれます。
・通行手形の販売。他都市への移動もお金を払えば可能であると言う事です。この通行手形は他都市の冒険者ギルドへの紹介状を兼ねています。
冒険者ギルドの運営は担当制です。これは文盲対策でもあります。担当者1人について20~30人程度の冒険者を担当します。冒険者は3~4人でパーティを組む事が多く、担当者1人で6~7パーティを管理する事になります。担当者にはバックアップを兼ねて副担当が付きます。
因みに事務処理で紙を使う事は多くありません。羊皮紙は値段が高いのです。
【メタ註:A4用紙1枚で日本円にして3,000円程度にもなります】
そのせいもあって冒険者ギルドには書類業務は殆どありません。そのため掲示板への依頼の張り出しもありません。
冒険者パーティはギルドへ行くと、まず自分の担当者を呼び出して話をする所から1日が始まります。仕事は担当者が適切な依頼を判断します。




