2話
私はそこら辺にいる普通のJK。友達に勧められたいろんなゲームをしながらのんびりと平穏に暮らしていた。そんな私の運命を変えたのは、一つのゲームだった。
それが、
「コリウスの花を君へ~貴方のハッピーエンドを探して~」
だった。
友達に勧められるまま、普段はRPGしかやらない私が借りてやってみた初めての乙女ゲーム。
楽しみな反面すぐに飽きそうだなと不安に思っていた。だが、進めていくうえでそんな不安は消えていった。何せ、今までの聞いたことのない展開に、共感できるストーリー。
一瞬で私はこのゲームの虜になった。
借りたゲームのは友達に返し、お小遣いから新しいものを買った。
そして、私は運命の出会いを果たす。それが、私の推し。マリーゴールドだった。
マリーゴールドは所謂、脇役令嬢だ。物語に出てくるのはほんの少しだ。でも、意外と重要な立ち位置にいる人物だ。そんな彼女は、ある一人の攻略対象の幼馴染だ。彼女はヒーローを心から愛していた。だが、彼は彼女の気持ちに気付かずかなかった。彼女はそれでもよかった。だって、かれのそばにいられるだけで幸せだったから。
でも、そこにヒロインが現れる。愛している彼がどんどんと離れていく。元々そこまで多くなかった会話も日に日に少なくなり、ついには話さなくなってしまった。そんな生活に耐えられなくなり、彼のことを考える時間をなくそうと家業に力を入れるようになった。
彼女の家は、代々騎士を輩出している騎士の名門だった。故に、力がなければならない。父から、女の子なのだからあまり危ないことはさせたくないと言われたが、彼女は鍛錬を怠ることはなかった。そして、この時期から危険の伴う魔獣の討伐に向かうようになった。
それが半年ほど続いた頃、王都に魔獣が大量発生し国は混乱した。
半年の間、彼女の愛した彼はヒロインと恋をはぐくむ間に特別な力を身に着けていた。
彼は、この戦いには自分の力が必要だと判断しすぐさま用意を整え前線に立った。彼の力のおかげで王都は守られたものの、守れなかった命も多い。そのことに悔やんでいた彼は気付かなかった。彼を狙う一匹のウルフに。周りも勝利の余韻に浸っていたため気付くのが遅れてしまった。彼が気付いたのは、ウルフの爪が彼に襲い掛かる寸前のことだった。
そこに、別の場所を任されていた彼女が彼を庇い攻撃を受けた。
彼女はウルフをフラフラの体で何とか倒し、その場に崩れ落ちた。なんせ彼女はここに来るまでに人一倍たくさんの、魔物を倒してきた体は既に傷だらけ、MPも底をつき何とか意識を保っているような状態だった。そんなボロボロになった体で致命傷の傷を受ければ、確実に死ぬだろう。それでも、彼女に彼を救わない理由などなかった。
ウルフを倒した後、彼女はその場に崩れ落ちた。それを咄嗟に抱きかかえる彼。そこで流れる、走馬灯のような記憶と想いのムービー。
それを見た瞬間、私は、、、マリーゴールドに恋をした。
暖かい初心な初恋と、失恋。それでも忘れられぬ想い。頑張りぬいた先にほんの小さな幸せ。
そんな儚く、それでいて強い彼女の短い人生。
その生き様を見て、恋せずにはいられなかった。
読んでいただきありがとうございました。
楽しんでいただけたなら幸いです。
次回作からはのんびりとまったりと投稿していこうと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ご指摘や、コメントいただけますと励みになりますので、もしよろしければよろしくお願いいたします。
では、次回作でお会いしましょう。
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