羊皮紙のお手紙
1063年2月下旬 マティルデ(18)からジャン=ステラ(9)への手紙
親愛なるジャン=ステラ様
寒い日が続いておりますが、いかがお過ごしですか。
このお手紙は、ユーグ・ド・クリュニー様に運んでいただきました。普段はお義父さまであるゴットフリート3世に送っていただいておりました。しかし、ユーグ様がジャン=ステラ様の元へ向かうと聞き、運んでいただく事にいたしました。
イルデブラント様、そしてユーグ様から、ジャン=ステラ様のことを聞きました。1月の地震のあと、家族以外の面会を断っているのですってね。怖かったですよね。
私もフィレンツェで地震に遭遇したことがあります。床が揺れて立っていられませんでした。その恐怖は理解できます。
しかし、部屋に閉じ困ったままではだめだと私は思います。すこしでも恐怖が薄らぐようにと、私の肖像画を送ります。他の人と面会する前の練習役にでも使ってください。
ジャン=ステラ様に、1点、私が依頼されている件をお伝えします。
ユーグ様があなたにお会いしたいのですって。用件は黙秘されてしまいましたが、あなたが作ったトリートメントで浮かびあがる「天使の輪っか」に関する事のようです。
あいまいでごめんなさい。しかし、ジャン=ステラ様に有益なお話だと、イルデブラント様も太鼓判を押しています。このお手紙と絵を運んでいただいた報酬として、ユーグ殿に面会の機会を与えていただけましたら幸いです。
トスカーナ女辺境伯 マティルデ・ディ・カノッサ
追伸:
ジャン=ステラ様から頂いた紙で字を練習しました。古代ローマの英雄カエサルもパピルスで字を練習したと、ジャン=ステラ様に教えていただきました。それを真似してみましたの。成果を見ていただこうと思い、同封いたします。よくご覧になっていただければ幸いです。何を書いているのかわからない単語ばかりかもしれませんが、よくよく見ていただければと思います。
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紙にかかれた文字
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あてそふへさへふくかじせめみ
えうすかいけおぬさそにさをにるけなて。
まてうふにけもへ、くぬかせめのしうきなせをにおめた。つふてゆおなよくよおいなてきれをめちうにそて。そけそ、りーさぬふいなけなに、しうきないけおささわすぬいくよおなこめそて
てて、りーさぬふよこなぬるかほそふねけもいふぞさぬくよなてふにた
つすに、おぜうくそきによれなてけきせわえうすかいなけおめそて。
すをにけうみこるひ☆彡
(中略)
へさへふくかじせめふやけきいめなにおわくほゆせめるろ
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