表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩集「てのひら暦」

石英の墨【詩】

つららの先端からしたたる水を

金剛のすずりにあつめ

石英をすってできた墨で

したためた言葉は

透明で

あまりにも純粋すぎるから

ひとに伝わらないのだそうだ


けれどもそこに紫外線をあてると

ぼうっと文字が浮かびあがるらしい


かつてのきみがくれた手紙は

きっとそういうたぐいのもので

それなりに年をかさね

紫外線ライトを得たいま

やっと文字が見えるようになった


あのころぼくに向けてくれた

青みがかったようなまなこが

たとえ黄ばんでいたとしても

きみが健在でいてくれたらと

切に願う冬の日

2021年11月23日制作。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 若い頃はあまりに純粋すぎて伝わらなかったことも、年を重ねてわかるようになった、というような解釈でいいんでしょうか? 青みがかったまなこが黄ばんでいる、ということは結構な年輪を重ねているので…
[一言] 純粋すぎるからと言いつつ、紫外線を当てないと読めないという、ちょっとした意地悪がヒューマンって感じで良いですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ