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短編大作選

さがしもの

作者: 高島トモツグ
掲載日:2020/12/23

大事なカギを落としてしまった。


それは、初雪が降る少し前のことだった。


そのカギは、パパからのプレゼントを開けるために必要なものなのに。


宝箱が好きな僕のために、パパは毎回、プレゼントを宝箱に入れて僕にくれる。


外は吹雪き始めて、出掛けることが出来なくなった。


楽しみを取っておこうと思い、プレゼン卜はすぐ開けず、カギをポケットにずっと入れていた。


そして、ポケットに入れたまま、走り回ってしまった。


それがいけなかった。


雪はどんどん降り積もってゆく。


このままでは、いつまで経ってもカギは見つからないだろう。


僕の頭が埋もれてしまう高さくらいまで、雪は積もっていた。


カギはその雪の下にあるから、掘っても見つからないだろう。


場所の検討もつかないから、今はもう諦めるしかない。




そんなとき、パパが突然倒れた。


ずっとずっとベッドで目を瞑っている。


もう起きないかもしれないと言われた。


毎日病院に来て、パパの手を握りしめ続けた。


段々と積もっていった雪も、春に近づき、次第に溶けていった。


まだ、パパのまぶたも手も動かない。


雪は完全に溶けていき、降り積もっていた頭の中の雪のようなものも、完全に溶けていった。


そして、埋もれていた、雪の下にカギがあるという記憶も溢れ出てきた。



すぐに町中をあちこち探し回った。


パパと一緒によく歩いた馴染みの道を、日がくれるまでずっとずっと探した。


パパにもカギがハマるような穴があったらいいのに。


だって、カギを差し込んで回したらパッと目覚めるかもしれないから。


そんなことを考えていると、見覚えのあるカギが落ちていた。


空き地の砂利の上。


拾って家に走って持ち帰った。


そして、宝箱のカギ穴に差し込んで、ゆっくりと回してみた。


すると宝箱は開き、中にはずっと欲しかったゲーム機が入っていた。


そして、その横には、父よりと書かれた手紙が入っていた。


「今度一緒にやろうな!雄太!」


それを見て、心が雪のように溶けそうだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] パパー! せっかくパパがくれたゲームですから、遊んであげる方がパパは嬉しそうです。 それで、入院中のパパにゲームの内容を話してきかせてくれるとか。 「退院したら一緒にやろうよ、パパ」 呼び…
[一言] カギは見つかり、手紙も読むことができました。 雄太くんはお父さんが目覚めるまでゲームをしないで待つのでしょうか。それともひとりで何度もクリアして、目覚めたお父さんにやり方を教えてあげるのでし…
[一言] 最後の1行が印象的でした。 パパが元気になりますように。
2020/12/23 15:08 退会済み
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