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すると、他の召喚されていた勇者の人たち……二番目さんと同じでぐうたらしていた三番目さんや四番目さんも、なぜだか頑張り始めた。
「負けてたまるか」と言わんばかりに、魔法を極めたり、歴史を研究したりした。
どうしてか分からなかった僕は、五番目さんに尋ねた。
五番目さんは暗記が得意だったので、世界中の重要書類を片っ端から暗記して、王宮にある図書館の司書になっていた。
五番目さんは「自分より格下の相手が良い待遇だから、なにくそと思ったんでしょう」と言ったけど、やっぱりよく分からなかった。
するといずなが「なら最初から自分を下げるような事しなきゃいいのに」といった。
大人の事情はよく分からない。
僕達も負けてられないぞ、と小屋をぴっかぴかにしたら、兵士さん達に褒められた。
病気になる鳩や鳥が減ったおかげで、ゼンセンで戦っている兵士さん達にしっかりとお手紙が届くようになったらしい。