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山の芋鰻になる③


学校に着いた。学校を見渡しても特に何も変わったようなところは見られない。ぞろぞろと似たような生徒が俺と同じく登校しているだけだ。頭の中に響いてた声ももう止んだし本当に何の変化も無くなってしまった。


教室に着くと、瑠希は昨日と同じように自分の仲良しグループの方へ向かう。俺も自分の席へと向かった。


「よー。元気そうだなー日馬。何か良いことでもあったか?」


声の方を見ると例の如く玲土が隣に来てニヤニヤしていた。


「あ?どこがだ。お前の目は節穴か。」


「いやいや、僕の目は両方二・〇だよ。今もバッチリ日馬のこと見えてるよ。」


と言って自分の目を強調しながら俺の方を見る。


「そういうことじゃねぇんだよ。俺は今日疲れてるんだよ。見れば分かんだろ。」


俺がジト目でそう言うと玲土は一瞬きょとんとして。


「ははは。何だよ。それホント?日馬いつも同じ様な顔してるからわかんなかったよ。」


「見ろ。この目を。どう見たって疲れきってる人間の目だろうが。」


俺は自分の目を指差して玲土に訴えた。玲土は俺の顔をジーっと見た後


「んー。いつもと変わりないなぁ。死んだ魚みたいな目してるわ。」


と毒を吐きやがった。何だよ、死んだ魚みたいな目って。


「お前結構酷いやつなのな。」


俺は訴える努力を止め、机に突っ伏す。


「まぁまぁまぁまぁ、僕はただ事実を言っただけで。それに死んだ魚のような目も悪いことばかりじゃないと思うよ。そういう目が好きな人だっているかもしれないし。」


なんだこいつ。それで言い訳したつもりか。何のフォローにもなってねぇよ。


「うるせぇな。とりあえず俺は疲れてるんだ。特に話すことがないなら自分の席に戻れ。俺はHRが始まるまで寝るから話しかけるな。」


俺はそう言い切って机に突っ伏して窓の方に顔を向ける。


「悪かったよ。まぁしょうがないか。人間疲れが取れないときもあるしな。まぁ授業中先生に怒られないようにだけ注意しときなよ。」


そう言って玲土は自分の席に戻っていった。俺はハァと一息とため息をつく。昨日の夜から何かおかしいなぁ。変な夢。そして頭に響く変な言葉。確かに何か変化があって欲しいとは願っていたがこんなこと今までなかった。俺は何か病気にでも罹ったのか?


しかし、そんな不安も当たることは無く時間は過ぎていった。正真正銘のいつも通り何事も無くHRが始まり授業になって昼休みになる。頭の中にあの機械音声が響くことは一度も無かった。特筆するようなことなど何一つ無い。まぁ、強いて言えば俺が授業中に寝てるのが見つかって先生に怒られたぐらいだ。俺はあまり授業中は居眠りする人間では無いのだが、機能見た夢のせいなのかどうも疲れているようだ。ちなみに居眠りした時だが、夢は見なかった。



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