11話
優月視点
フォートレスを倒して王城の正門に辿り着く。そして遂に王城に入る。
王城内はアンデットが居なかったが、《感知》では一つの大きな部屋に強力なアンデットの気配を見つけていた。僕はそれを見つけた瞬間に《把握》も始め、完了するまで王城内の散策をすることにした。
部屋を回っていくとここに住んでいた王族たちはとても豪華な暮らしをしていたのが分かった。煌びやかな衣装に装飾品の数々、絵画も多くあり、どれも高価なものだという存在感を放っていた。散策をしていくるうちに《把握》が完了した。
(散策は終了して、ここのボスとやりますか。多分ここは10階層分あったのだろうな。ボスがアスール以上の強さのようだし。こんなこと一階層降りただけじゃ有り得ないことだからね。
まぁ、いいか。兎に角、ボスを倒して先に進もうか。)
僕は敵のいる部屋までゆったりと歩いていく。
他の部屋よりも豪奢な装飾の施された扉の前まで着き。その扉をゆっくりと開けていく。
中はどうやら謁見の間だったらしい。左右にはスケルトンナイトとメイジが並び、奥には玉座に座った王らしきスケルトンと、その側に他のスケルトンよりも格上そうなスケルトンナイトとメイジが立っていた。
‘ようこそ、侵入者君。我はアルビデス王国国王ダンクラス・フォン・アルデビスである。
よくぞここまで辿り着いた。我もここにいる皆もフォートレスに負けると予想していたのだがああもあっさりと倒すとは驚いたよ。
さて、ここのフロアのボスは私だがまずは我が騎士達の相手をしてもらおうか。’
王がそう言うと、左右にいたスケルトンどもが動き出す。僕はそれに対して《命令》を使う。
『スケルトンどもよ、その場で静止しろ。』
《命令》は体力を消費するため、簡単な命令をする。《命令》は『死ね』といえば相手が自害するということもできるが、それは先程の命令よりも倍以上に体力を消費する。命令の種類や規模、レベル差等で体力の消費が変わるのだ。よって、今回はただ止まるというだけの命令にしたというわけだ。
スケルトンどもは命令を聞きその場で静止する。僕はその隙に『円月・断閃』で全てのスケルトンを一瞬にして倒す。
「もう終わりましたが、お次は?」
僕は王に向かって挑発でもするように言う。
‘ふむ、流石だな。では次はこの二人が相手だ。’
そう言うと、側にいた騎士と魔法使いが動き出す。
即座に《看破》でステータスを見る。
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名前 :
性別 :
種族 :スケルトンナイトリーダー
職業 :騎士
Lv : 21
技量ランク : C
スキル : 骨強化lv.3 剣術lv.4 盾術lv.3 加速lv.5
マスタースキル :
ユニークスキル :
称号 :
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名前 :
性別 :
種族 : スケルトンメイジリーダー
職業 :魔法使い
Lv : 23
技量ランク : C
スキル : 火属性魔法lv.3 風属性魔法lv.2 詠唱短縮lv.2 魔力回復lv.3
マスタースキル :
ユニークスキル :
称号 :
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正直言って思ったより弱かった。
(余裕過ぎるな。一撃で決めて、王と戦おう。)
ナイトリーダーはこちらに向かって来る。段々と速くなっているのは《加速》を使っているからだろう。その後方ではメイジリーダーが二重詠唱を始めている。第10階層と同じ戦法のようだ。というか、まんまそれである。
僕は納刀して、居合の構えを取り『瞬華』でナイトリーダーを頭から股にかけて両断する。それを見ることもせずメイジリーダーへと駆けていく。僕が到達する前に魔法が完成したのか火と風の魔法が飛んでくる。ボール型のそれらを僕は『散華』で霧散させ、連撃の最後を魔力で飛ばしメイジリーダーの頭を砕く。
僕が倒し終えると、また、声が聞こえてくる。
‘まさか魔法まで斬るとはな。我も流石に驚愕を隠せないぞ。さて我が騎士達も倒されてしまったことだし、我が相手をしよう。’
どうやら本命のご登場のようだ。早速《看破》でステータスを見る。
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名前 :ダンクラス・フォン・アルデビス
性別 :男
種族 :スケルトンキング
職業 :指揮者 剣士
Lv : 37
技量ランク : B
スキル : 骨強化lv.5 剣術lv.5 指揮lv.6
マスタースキル :
ユニークスキル :配下創造
称号 :スケルトンを統べる者 アルデビス王国国王
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ユニークスキル
配下創造 : スケルトンを創造できる。数に制限はないが、上位種の創造には時間がかかる。
どうやら、アスールよりは厄介のようだ。ユニークスキルにより配下を創造してその間にさらに強いやつを生み出すことができる。雑魚に手間取っていては物量攻撃でやられるというわけだ。
(さっさと終わらせて次に行くか。)
僕は刀を構えて敵を迅速に殺すために行動を開始する。




