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漆黒の剣帝は変貌した地球で無双する  作者: ソラリオン
序章

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9話



優月視点



鬼人化したオックスさんは先程とは比べ物にならない速さでこちらに斬りかかってくる。僕は魔力での強化度合いはそのままでまた、回避をしていく。


(確かにさっきとは別人のように強いな、それに、キレもある。だけど()()()()()

さて、もう見切ったし、攻撃に移るとしようか。)


そう考えをまとめると、大剣を手の甲でアッサリといなす。

それにより、体制の崩れたオックスさんの鳩尾へ魔力での強化度合いを一割程増した (合計三割程) 拳で殴る。それを受けたオックスさんは舞台の壁まで吹き飛んでいき、壁に激突する。


オックスさんは大剣を手放したがまだ結界から弾き出されてはいない。それを見た僕は、そこへさらに追撃を仕掛ける。そして、確実に殺すため、拳を貫手にし、喉目掛けて突く。首を貫通した手ごたえをすぐさま感じる。


すると、オックスさんは結界から弾き出される。


僕は魔力を解き、手の力を緩める。



「審判、コールを。」



そして、ボケーッとしている安藤さんへ声をかける。



「ハッ!す、すみません。

オックスが結界から弾き出されたため、

勝者 十六夜優月!」



僕の勝利判定が下されると外野から拍手が送られてくる。それに対して一礼すると、舞台から降りて、観客席へと行く。


観客席へ着くと。西条さんが満面の笑みで出迎えてくれた。



「お疲れ様。すごいじゃない!あのオックスに勝っただけでなく、"鬼人化"まで使わせて、さらにその状態でも被弾はゼロ。そしてほぼ一撃で意識を刈り取って、トドメを刺す。尋常じゃない強さだったわ。」



「ええ、私も見てて驚きましたよ。」



西条さんがそう僕を褒めちぎっているところへ安藤さんもやってくる。



「だから言ったでしょう。彼は強いと。私の剣を手で弾いたんですよ。強いに決まってるじゃないですか!」



するとロイさんも来てそう言う。



「確かに強かったわね。でもなんで刀を使わなかったの?あれが貴方の主武器でしょ?」



「確かに私もそれは見てて気になりましたね。刀を使った方がもっと速くに倒せたでしょうに。」



「それは、格闘だけでも十分だと判断したからですよ。さらに、格闘でも全力の半分も出してませんでしたし。」



「ッッ!! あれで全力ではないと、しかもその半分以下、貴方の全力が見てみたくなりますね。」



「それはいつか。僕が全力を出さざるを得ないときにでも。


それで、試験の結果はどうでしょうか?」



「文句無しにSランクですね。戦闘力は勿論十分ですし、剣聖からの推薦もありますしね。」



「あれ、ロイさん推薦なんてしてくれてたんですか?ありがとうございます。」



「いやいや、いいんだよ。私が君にその実力があると思ってやったことだから。」



「それでもです。本当にありがとうございます。」



「話の途中に悪いわね。だけど、一つ優月くんに聞きたいことが有るわ。

なぜ貴方はそこまで高ランクになりたがるの?なんとなく名誉とかじゃない気がするんだけど。」



そう西条さんが、僕とロイさんの会話に入って、聞いてくる。



「そうですね。自分の目的のために僕は今高い地位が欲しいんですよ。」



「ちなみにその目的とはなんですか?」



「復讐の相手を見つけるためです。」



「……復讐、ですか。しかし、地位が高い方が良いというのは、よく分からないのですが。確かに情報は多く得られますが。」



「地位が高い方が、相手を殺しても、揉み消しやすいじゃないですか。

ただそれだけですよ。」



「ッ!そうですか。」



「なんで復讐を考えたのよ?というか、何が原因なわけ?もちろん答えなくても良いわよ。」



「そうですね。すみませんが、それはまだ明かせません。」



「そう、ならいいわ。

それよりも、後で話があるわ。そうね、夜の7時に私たちがいる部屋へ来てちょうだい。そこで話すわ。


玲子、部屋の位置の確認するから、地図見せなさい。」



「ハァ、分かりましたよ。はいこれ。」



「ありがと。それじゃあ、優月くんこれ見てさっきのようにぱっぱと覚えて。」



「分かりました。ここでいいんですね。 覚えました。もういいですよ。」



「そう。玲子これありがと。さて、じゃあ私達は一旦戻るわね。


翁!オックス回収してから部屋へ戻るわよ!」



「ハァ、儂も少年と話があったんだがのう。」



「後でしなさい!それじゃあ行くわよ!優月くんまた後でね。」



そう言って西条さん達は去っていった。



「それでは私達は貴方の探索者カードを作りに行きましょうか。」



「はい、そうですね。よろしくお願いします。」



「それなら、私も一緒について行かせてもらおうかな。」



そうしてロイさんも加えて、僕たちも移動を開始する。

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