足りない注意力
〜あまだ視点〜
鼻水と涙ダラダラで城についた。
ベリノア王「うん?どうしたんだあまだ殿、失敗した油絵みたいな顔をして。」
あまだ「これには少し理由が…って、ここでいいのですか?」
馬で城の門を突っ切って止まったのは広めの庭で、明らかに人工的な改造を受けていた。ポケ○ンみたいだ。はいっ!!躊躇わないでさっさと説明します!
庭はブロックワケされていて、林とボコボコの地面にわかれている。林の裏には川が通っていて、木はポツポツと立っている。凸凹なエリアにはくぼみやへこみ、小さな穴があり、地面の殆どが砂である。
ベリノア王「いいだろう!ここは私が庭を作り変えて用意した練習場だ。」
あまだ「ここで教えてもらうのですか?教えにくくないですか?」
ベリノア王「あぁ、戦場では殆どこんな物だ!時には森で、水辺で、死体の上で戦わねばならぬ。そして、言うのを忘れたのだが私は教えない!直接戦って教え込んでやる。」
なるほど…るみかさんに足場作ってもらえばいいから大丈夫そうだけど…あっ、そっか、放置されそうだわ!
あまだ「!?教えないのですか!?本番ですか!?攻めて本物の剣はやめましょう!!」
ベリノア王「教えるのめんどくさいからな…」ボソ
ベリノア王「わがままな小僧だな、特別にダミー剣を用意してやろう。あぁ、そうだ、明日一緒に門の前まで来てもらうぞ、技をできるだけ覚えて練習しておけ。」
今聞こえたぞ何かボソッと言ったけどボソッと!!
あまだ「まじかよ…」
ダミー剣を受け取って、らむ汰さん【盾】を馬車の隣にある台の上に置く。
ベリノア王「んぅ……?お主武器を持っていたのか。見せてもらってもいいか…?見かけないものだ…」
あまだ「えっ……えっとですね…」
らむ汰さん大丈夫?かな…?
らむ汰(潜伏)「大丈夫ですよー!私あまださんより強いし」
さらっとそういういじり入れるのやめない!?事実だからここしかツッコミ入れられないよ!!
あまだ「いいですよ!」
ベリノア王「?何だその間は。少し見させてもらう……この様な盾、どのような素材を集めれば作れるんだ…透明。む……この感じ…さてはあまだ殿、これは魔剣だな?」
あまだ「魔剣…?」
ベリノア王「剣には時々魂が宿るときがあるんだよ。魔剣とは悪しき心を宿した武器だ。武器に殺された人の魂とかな。ちなみに精霊や神々しい魂が宿れば聖剣となる。」
そ、そうなのかぁ……!らむ汰さん何か悪い事したの?
らむ汰(潜伏)「そ、そんなはずは…!!恐らく魔王さんが関わったから気配が残っているのかもしれません…それより私を察知するとは…何者でしょう…」
あまだ「なるほど…で、魔剣ってレアなのか…?」
ベリノア王「レア…まあそれはそうなのだが、多くの騎士に嫌われる物でもあるぞ。壊しにかかる騎士も少なくないだろう。あまだ殿は私の所に来て運が良かったな。ランスロットとかの元に行ってたら殺されてたかもしれないぞ…」
えっ、うっそん…ランスロットってどこかで聞いたことがある気がする…
あまだ「と言うことは円卓の騎士からは離れてたほうがいいってことか…」
台にらむ汰さんを置いて、ダミー剣を握りベリノア王の前に立って話を続けた。
ベリノア王「……」
シュッ‼
突然動いたと思ったらお腹に痛みが走った。痛さで転げて身体を丸めた。
痛い……気が…遠く…
ベリノア王「隙があったな、剣を握れば戦場だぞ」
あまだ「まじかよ…ズルいぞ…うぇ…」
これがベリノア王との一試合目だった
最近雨水による被害が多くて心配です…毎年の様にこれが続くようになるのかな……よく地震が起きたときも言いますよね、マグニチュードや震度を見るのも大切だけど、体感、そこがどれくらい揺れるかを感じろって。数字にすると大したことないって自分を騙しちゃうときがあるらしい…皆さん気を付けつつ、楽しい日常を送ってください!