疑問と友達
4.
「私は星河、星河依弦。」
その子が僕の方を向いて口元を緩めて放った言葉を、僕は理解できずにいた。
「星河・・・さんって・・・あのb組の・・・?」
「そう!私のこと知ってたの?」
「今日僕の友達が星河さんの事話してたから・・・。」
「えっどんな話??」
その子は興味津々に僕に顔を近づけてきた。
「今日星河さんにぶつかったら怒られた・・・って・・・。」
「ぶつか・・・?ああ!あの男の子か!」
「そう、そいつ僕の友達なんだ。」
「勢いよくぶつかってきてちゃんと前見て無かったから、ね。」
そう言ってその子は困ったように笑った。
澄元から聞いていた印象と違いすぎて、現実に追いつけない。
「星河さん割と知られてるらしいよ。ヤンキーだとかなんだとか。」
「え!?私そんな風に言われてるの!?」
「だっていつも一人で居るっぽいし、無表情だとか、学校サボってるとか・・・。」
「いやぁ、いつも寝不足で眠たいんだよねぇ・・・。それで不機嫌に見えちゃってるのかな・・・。学校休んでるのはサボりとかじゃなくて、その、家の用事!」
「そうだったんだ・・・なんかごめんね。」
「気にしないで!いや、嘘、やっぱり気にして!ちょっとショック!」
噂なんて信じるものじゃなかった。
現にその子は僕が見るからに無邪気で、そこらの女の子となんら変わりは無かった。
「私さ、その噂のせいか友達居ないんだ。もしその、志河くんさえ良ければ、友達ってのに、なってくれたりしないかな??」
そう言い放ったその子の顔はなんだか、少し悲しそうで、困ってるような、でも少し緊張してるような、そんな感じがした。
「僕も、星河さんが友達になってくれると嬉しい。」
僕に学校で噂の女の子の友達ができたんだ。