日常
1.
太陽が眩しく照らしてくる。
太陽は僕を温めようとしてくれてるけどちっとも暖かくない。
「あーくっそ、なんでこんな寒いんだよ。」
マフラーを2週巻いて口元を埋める。
ぶるぶる身体を震わせ着慣れた制服を纏って通学路を進む。
僕の通う高校はよくある「自称」進学校だ。
平均よりは上だが決して特別賢い学校な訳でもない。
無駄に厳しい校則に囚われて監獄という名の学校に向かう。
この時期は椅子がひんやりとして席に着くのも億劫になる。
「おはよーっす志河、いつまでマフラー巻いてんだ?」
僕が凍えてると前の席の子の椅子をかっさらって話しかけてきた。
こいつは澄元、いわゆるクラスメイトだ。
「うるさいな、寒いんだよこっちは・・・。」
「こんな寒いと女の子に暖められてぇなぁ〜!彼女欲しい、いやまじで。」
「なんで俺達高校入ってもうすぐ1年経つのに恋愛イベント起きないんだよ。」
「寂しいにも程があると思うよなぁ〜!」
僕達の学校は公立だから共学だけれど、全く恋愛沙汰が起こる事もなく過ごしている。
「なぁ志河、このまま俺達彼女出来なかったら俺らで付き合うしかなくね??」
「流石にそれは引く。」
本当にいつも通りの馬鹿げた日常、である。