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息が詰まるほどの愛を。

             挿絵(By みてみん)


診断メーカー様のお題、

『グラ青で「息がつまる程の愛を」というタイトルに沿って同人誌の表紙っぽい絵を描いてください。

#同人誌の表紙っぽいの https://shindanmaker.com/657619』


より、同人誌の表紙らしくない絵と、ついでなのでSSもつけてみた次第。

お題と表紙絵に反して全くイチャつきもエロもないまおりぼスピンオフ。


初出:novelist様 2016-09-05 09:14:08


 この人は”勇者”を殺さない。

 生かしておけば再び剣を握って向かってくることは明白なのに、息の根を止めることはしない。



「何故、って。戦意を喪失した者にそこまですることはないだろう?」


 そう言うけれど。


 喪失するのは敗北に打ちひしがれているわずかな間に過ぎない。

 生き永らえたことを実感した時、戦意は奴らの胸に再び灯る。


 何度も。


 何度も。


 おごり高ぶったプライドを何度へし折ってやったって、奴らは戻ってくる。

 そんなことは、この10年で嫌と言うほど身に染みているでしょう?



 何故。

 あなたは”魔王”であるはずなのに。

 奴らはあなたを殺しに来ているのに。


 奴らの望みどおりに叩きのめしてやればいい。魔王に刃を向けた時点で死ぬことも辞さない覚悟くらいできているはずだ。

 なのに何故、そんな相手に救いの手を差し伸べる必要がある?

 非情でなければいけない”魔王”に優しさなどいらない。


 いや。


 いつかその優しさが……あなたを私から奪い取って行ってしまう日が来るのが怖い。




「安心しろって。お前らが逃げる時間くらいは作ってやるから」

「そんなこと頼んでいません」



 もしあなたが凶刃に倒れる日が来たら。

 あなたは最後の力を、私たちを生かすために使うのでしょう?


 

「お付き合いしますよ、何処までも」


「冥府までついて来いとは言えないな」


「寂しいのは嫌いなくせに」


「お前らが何処かで生きていてくれると思えば我慢できるよ」


「……嘘つき」




 あなたの”想い”はあなたを滅ぼす。

 手足を絡めて、口を塞いで、そうしてあなたを闇の底へ連れて行くのだろう。


 だから、











 その時は、一緒に。




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◆◇◆
お読み下さいましてありがとうございます。
『魔王様には蒼いリボンをつけて』本編
はこちらです。
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