噂話
今回はダイチが盗み聞きするだけで終わります(笑)
まぁ旅だったといっても町のなかを散策するんだけどね!
町では勇者の噂をあちらこちらで聞いた。
「今回の勇者は二人らしいぞ!」
「そんなもん知ってらぁ!ユータとライトだろ?」
「しかもすげぇ炎の使い手らしくてユータのファイアなんてまるで満月のように光輝くらしいぜ!」
「月炎のユータだろ?しかも王様直々に2つ名を授けたらしいぜ!」
まるで祭りのように賑やかな町だなぁ。
日々モンスターや魔族に怯える人々にとって強い勇者の存在は心を豊かにするのだろうな。
そんなことを考えていると奇妙な噂を聞いた。
「でもよ、召喚者は3人いるらしいぜ。」
「ほんとか!?なんでそんなこと知ってるんだ?」
「ほら、たまに勇者様がゴブリンとかスライム狩りでレベルあげてるだろ?その時に騎士と話してるのを聞いたってやつがいるんだ。」
「でもなんでそんなこと隠してるんだ?勇者が3人なんてこんなに心強いことはないだろう?」
「いや、どうやら相当な悪人で神に背いてスキルを奪われてるらしいぜ。」
「ほんとか?召喚者の悪人なんて手がつけられねぇぞ。しかも神に逆らうなんて正気じゃねぇ。魔族もモンスターもスキルなしの魔法で戦うのは楽じゃねぇのに。命知らずの悪人か。こりゃ噂になるぞ。なんて名前のやつなんだ?」
「ばーか。もうかなりの噂で他の町でも有名だよ。なんせ勇者から直接広まってるんだからよ。」
「なら早くそいつの名前を教えてくれよ!そんなやつが城にいるなんて怖くて夜も眠れねぇ」
「いや、やつはもう城にはいない。もしかしたらそいつは今この話を聞いてるのかもしれない。そいつの名は、、、、」
「ゴクリ、、、」
「神背き、ブロッコリー・ダーティ!地属性の大悪党だ!」
知ってた。僕の事だわ。ダーティじゃねぇよ。ダイチだよ!
「てめぇ!さんざん脅しやがって!地属性じゃねえか!ネタ話真剣に聞いて損したぜ!」
「ははは!てめぇのびびった顔は傑作だったぜ」
「さぁ!バカな話はやめて仕事仕事!!」
二人組は何処かへ去っていった。
まさか間違った名前がこんなに広まるとは、、
しかも存在がネタで知らず知らずに皆を笑顔にしてるなんて
気に入らねぇ!
しかもゆうたとライトは城からでてたのかよ!
誘えよ!僕にはレベルないけど一声かけてよ!
てめぇらとは行かないけど!!
日陰者の勇者は独り寂しく馬車へと向かうのであった
町人A「なんでもダーティってのは異世界じゃ卑怯者って意味らしいぜ!」
町人B「はっはっは。その話はもういいって(笑)完全にネタじゃねぇか」
町人A「しかもブロッコリーってのは野菜らしい。」
町人B「ぷはっ(笑)」