2つ名
やっと主人公のダイチの魔法!はじめての魔法はうまくいくのか!?
王「ふむ。召喚者とてただの無能。今は放っておいていいだろう。いろいろと話は逸れたが本来の目的の勇者と共に能力を計る!魔導師長!」
魔導師長「これより勇者様に魔法の発動について説明をいたします。この世界に存在する属性はいくつかありそのなかでも主要なのが火、水、雷、地の四種類であります。
属性とはその属性を魔力と引き換えに生み出す事ができるのです。この世界は魔族や魔物の存在のために身を守る事が第一優先です。
火
は威力が高く炎上による継続ダメージ、夜は簡易ではありますが明かりになり魔物は火を嫌うことが多く拠点を安全にすることができ生存率がグンと上がるので攻撃力、生存率から討伐系冒険者にうってつけです。冒険先でも手軽に料理ができるというのもパーティーに人気の理由でございます。
水
は攻撃はもちろん相手の足場を奪うなどして近距離型の相手の安全圏から一方的に攻撃できまた生活に必要な飲み水などの生成もできかさばり重い水を持ち歩かなくてよくなるため探索冒険者のパーティーに独り欠かせない属性でございます。
雷
は威力こそ高いのですが距離が短く遠距離の攻撃には向いておりません。しかし電流を身体に流すことにより筋肉を急速で伸縮させ高速で近づき触れたものを同じく電流を流し攻撃または拘束することができます。応用で怪力を発揮し、荷物運びもできますので捕獲系冒険者におおい属性でございます。
そして最後に
地
ですがなにぶん人間は地の上で暮らしているため生成する意味のない不遇の属性でございます。ですが応用力は群を抜いています。火打ち石を生成すれば火をおこせますし水属性のように相手の足場を奪う事もできます。また相手を覆えば雷属性のように相手を拘束することも可能です。ですが火属性のように火力はなくまた火をおこすのも時間がかかります。水属性のように足場を奪えますがそもそも水分補給のできる水属性はパーティーに必須ですので足場を奪うしかできない地属性をつれていく意味は無いでしょう。雷属性のように拘束はできますが雷属性と違い拘束後の土で敵を覆うわけですからこちらの攻撃がかぎられまた、運び出しづらくなるのも欠点でございます。このように長所が他の属性に劣る地属性はパーティーを組む場合、無能と呼ばれるゆえんでございます。ですが鉄の生成や地面を変質させ柔らかくしたり肥料の生成もできますので農家には大人気でございます。」
王「説明ご苦労。この他に闇属性と聖属性があるのだがこの適正者は極端に少ないためいまだによくわからぬので割愛させてもらうぞ。」
なるほどあれだけ喜んでおいて聖属性をわかっていない滑稽さはとりあえずとして
地属性、これはなかなかいいのでは?
確かに他の属性に劣っているがそれはパーティーを組む場合の話だ。
僕はパーティーを組むような信頼した人間はいない。
独りでやりくりしなくちゃいけないのだから火属性のように火力はなくても足場を奪って拘束後、逃げればいい。
時間はかかるけど火も起こせるんだ。
その火で魔物避けにもなる。
魔物と戦うのは怖いし農家になったり加治屋でもいい。
あとはどうやって魔法を使うかだ。
魔導師長「それでは魔法の発動方法を教えます。魔力の発動には段階があります。想像、確定、行使でございます。ちょうど私も火属性ですのでお見せしましょう。」
そう言うと魔導師長は手のひらを遠くにある的に向けた。弓道の的によくにているそれは20メートルほど先にある。
魔導師長「まずは想像します。この時に大きさや熱さ、地属性でしたら物質や硬さを選ぶことになり後はその想像の欠如部分を魔力を消費してオートで埋めてくれます。この段階が一番魔力を消費します。より綿密に想像すると魔力の消費を押さえれますが時間をかけすぎると相手に先手をとられてしまうので早さを求めれば魔力が魔力を求めれば時間が、とバランスが大事です。」
そう説明しながらも魔導師長の右手に炎のようななにかが集まりだした
魔導師長「そして決定。これにより想像が具現化いたします。」
右手に炎のような「なにか」だったものがボオゥッ!という音と共に真っ赤な炎に変化した。
魔導師長「そして行使。これは想像と似ています。決定で生成したものや同じ属性のものを操るイメージをしてください。こちらはすでにあるものを使用しているため魔力をあまり消費しません。」
そういった後、魔導師長の掌から炎がピュンッというロケット花火のような音を立てて的に飛んでいき見事に命中すると的は破裂し燃え上がった。
その後魔導師長の引き連れていた魔導師が水属性の魔法を飛ばし鎮火した。
なるほど魔法の使い方がわかったのは正直とても嬉しい。
それに説明しながの魔導師長では解らなかったか水を飛ばした魔導師の想像から行使までの一連の流れはとても速い。
それが僕の目には消防士のようでとてもかっこよくみえた。
魔導師長「このように魔法の発動には概念があります。と、いっても我々は神に個々の属性をより行使しやすくするためにスキルというものがあります。スキルにはレベルがありそのレベルごとに覚えるわざを唱えるとオートで発動することができます。こちらの水晶にてをかざすと現在のスキルレベルがわかります」
そう言うと師団長の持っている水晶と同じものを僕たちの付き人の騎士がそれぞれに一つずつ水晶を手渡してきた。
なにも写らずに眺めていると横で
ゆうた「おっ!火スキルレベル3だってよ!でも聖スキルは1かぁ」
ライト「まじかよ!おれは火スキルレベル2だぞ。でも聖スキルはレベル2でおまえよりたけぇ」
横で楽しそうにおお盛り上がりだ
王「さすがは勇者既にレベルが2に上がっているのか!ユータとやらは聖属性こそ1じゃが火属性は既に3に達しておる!魔導師団に早速はいれるレベルじゃのぅ!」
なるほど、つまりさっきの水属性のようなわざが既に唱えるだけでできるということなのか。
嫌なやつに強い力がわたったものだな。
そんなことより
『すみません。なにもうつらないんですけど、、、』
その言葉を聞くとまた、中学生組はニヤニヤとしながらこちらを見てきた。
騎士達からも同じで呆れつつも蔑むような視線を感じる。
王「ふふ、、ははは!それはそうじゃろう!スキルとは言わば神様からの恩恵。貴様のような背徳者、ましてや神に手をあげたのだ!寛大な神と言えど貴様に与えるはずもない!魔導師長から教わったようにせいぜい想像と妄想を繰り返すがよいわ!」
魔導師長「ふふっ。おっと失礼。心配しなくても魔法は扱えます。ただスキルのような速さはなく完成度もスキルに近づけるには努力すればなんとかなりますよ。」
周りが大笑いするなか魔導師長も失礼と言いながら笑いをこらえる気はそもそも無さそうである。
恐らく僕の事などどうでもいいのだろう。
魔法の説明も僕にではなく中学生組に話しているのを横で聞いていただけのようなものだ。
努力すれば追い付ける、その言葉はとても嫌みったらしく聞こえた。
王「さて!それでは皆のもの!勇者の力をとくと拝見しようではないか!」
その言葉と共に弓道の的のようなものが3つ並べられた。
王「さて!そうだな!まずはダーティ!貴様から見せてみろ!地属性とは言え転移者だ。ははは!よい余興を期待しているぞ!」
誰の事だ?ダーティなんていたか?
ゆうたとライトが大笑いする。
あっ!あれか、自己紹介の時にダイチってなまえを噛んでダイティって言っちゃったからそれがダーティになったのか。
さすがに訂正をしようとしたが横からゆうたとライトが
ゆうた「はやくしろwダーティさんww」
ライト「そーだそーだ!ブロッコリーのダーティw」
王「ははは!ダーティは地属性の癖に貴族かなにかなのか!ブロッコリーなどという家名があるのか」
そんな家名あるわけないだろう。
ブロッコリー・ダーティなんて名前ダサすぎるだろ。
そもそもダーティじゃないし。
ゆうた「いいえ王様!ブロッコリーはダーティさんが神に投げつけた野菜の名前です!地属性のみになった由来ですよ」
王「なんと!?神の恵みを神に投げつけるとはなんということを!それで神はこやつを勇者からはずしたのじゃな、、、よし!神に逆らった事を胸に刻むために貴様の2つ名をブロッコリーにする!」
なんだと!?
2つ名の意味を知ってるのか王様!?
横でライトとゆうたが大爆笑だ。
大体僕はダーティじゃないし、、、まぁいいか。
勝手に2つ名つけられたところでそんなもの名乗らないし。
そもそもダーティじゃなくてダイチだ。
ブロッコリー・ダーティが広まるとも思えないし、さすがに王様もそんなに暇じゃないだろう。
王「さぁ!ブロッコリー・ダーティよ!その力を見せてみよ!」
もうどうでもいいや、とりあえず魔法の発動ができるのか不安だし試し打ち感覚出させてもらおう。
まずは想像
的を破壊するんだ
。それにはやはり硬いものを思い浮かべよう。
僕が想像したのは鉄だより硬く、とにかく硬さを求め飛びやすいようにボール型にしよう。
すると僕の掌から淡い光の球体が現れた。
できた!魔導師長と同じように現れたそれを
決定!
ピキンッという音と共にそれは現れた。
銀色の球体だとても綺麗ですべての光を反射し僕の顔が丸く引き伸ばされて写り込む。
まわりからおぉ!という声が聞こえ僕も少しほっとした。
王「ほう。鉄を選んだか。無能地属性の唯一の長所は鉄の生産性だけだ。それになかなかの純度と見える。腐っても勇者候補なだけはあるようだな」
長所があるなら無能て呼ばないで欲しいな。
それに誉めてるようでけなしすぎだろ。
まあいいや、後はこれを行使するだけだ!
あんな的、木っ端微塵にしてやる!
この球体をより早く!速く!粉々に!跡形もなく粉々に!
いけ!!
行使!!!!
すると手元の球体は勢いよく飛んでいき3つ並んでいる的の真ん中にあたり粉々にくだけ散った。
本当に粉々だ。煙と言っていいほどに散り散りになったのだ。
鉄球が
王「ふはははは!!なんじゃそれは!期待させるだけさせといてなんという!!傑作じゃ!ははは!的に当たったのにまさかっ、、ふはっ、、鉄球がっ、、ひとつも壊さずにっ、、、ふふは!まさか煙玉とは」
どっ!!!
まさにこの効果音が似合うほどの大爆笑だ。
ゆうたが笑いながら言う
ゆうた「ぎゃははは!これなら的補充しなくてい良いなwさすがはダーティさん!資源に優しいや、、ははは!」
王「ははは!物は言い様じゃなユータ!よし!!この無能に手本を見せてやれ!」
まだ白く煙っていて多少見えにくい的にめがけてゆうたがてをかざす
ゆうた「ははは!これが手本だよダーティさん。まぁ俺はスキル使うけどね!スキルレベル1でもおまえには勝てるだろw行くぞ!ファイア!!」
ポンッ
という音と共に火の玉が飛び出した。
ホントにいきなり出て来て打ち出された火の玉はまっすぐに的に飛んでいくのだがっ、、
しょっっっっぼ!
なんだこれは!?線香花火かなにかか?哀愁でいうと線香花火よりこの火の玉の方が出ているぞ。
ゆうたは驚きの表情で、王様はさっきまでの笑顔が消えてポーカーフェイスを決め込んでる。
しかしその火の玉が的に近づいたときである。
ドッッッッヴォオオン!!!
大爆発である。
ダイチの手作り魔法はまるで 粉塵 に!
ゆうたのスキル1魔法は超大 爆破 !!
いったいなぜ!?