いざ異世界へ!!。。。。はぁ?
最悪なタイミングで転移した主人公!
神「なっ、、、なんじゃ!なんじゃ!?なにを飛ばしてきおった!」
お爺さんは手で顔をパタパタしながら驚いたように言った
『ごめんなさい!わざとじゃないんです!』
僕はそう言いながらお爺さんに駆け寄ろうとして異変に気づいた。近寄れないのだ。足を一歩踏み出したところでお爺さんとの距離は縮まらないのだ。
中学生A「なにやってんだおっさん、、、」
中学生B「いきなり踊るんじゃねぇよ」
『っ!?』
その言葉を聞いて中学生の方を見て気がついた。僕の位置が変わらない。確かに歩いているのに進まないのだ。中学生から見た僕はまるでムーンウォークやランニングマンをしているかのような動きに見えたのだろう。
そんなにドン引きしたような顔しないでくれ
神「土臭い方は気付いたようじゃのう」
土臭い!?僕のことか?確かにずっとブロッコリーを握っていたせいで右手からブロッコリーのにおいはするけども
中学生A「杖のおっさん。ここがどこなのかわかるのか?」
中学生B「おい、ゆうた。おとなしくした方が良さそうだぞ」
中学生Aはゆうたっていう名前なのか。まぁどうでもいいけど。ゆうたは不思議そうな顔をして中学生Bを見る。
神「お前たちを呼んだのはワシじゃよ。まぁ詳しく言うとワシではないが説明もめんどくさいんで別にいいじゃろう」
ゆうた「なんかすげぇ適当だな。ここがどこかも答えてねぇし」
神「そうじゃな。さっきも言おうとしたんじゃがここは世界の狭間じゃよ。この空間はどこまでも続いていてどこにも続いていない。」
ふむ。どこまでと続いていてどこにも続いていないか、いいえて妙だ。確かにどもまでも続いてるように見えるけど僕はここから一歩も進めない。ここから動けない、つまりどこへも続いていない。
なんでこんなところに呼ばれたんだろうか。この不良中学生とも今までの人生で接点なんてないぞ?
中学生B「俺わかった・・・。これ異世界転生だ。」
神「違うぞ」
ふっ(笑)。なんだこいつw中学生Bはーずかしぃwわかったような顔してまちがってるぞw
所詮は中学生、アニメの見すぎと煙草の吸いすぎで頭の中が異世界なんだろう。
神「詳しくは異世界転移じゃよ」
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『ほぼあってんのかーい!!』
ついつい声に出してしまった。ゆうたと爺さんがしかめっ面でこっちをにらんでくる。中学生Bは一瞬イラついたようだがこれから起こることがわかっているのか楽しそうにゆうたに異世界転移について話し出した。
ゆうた「なるほど!やるなライト!それなら俺もアニメで見たことあるぞ!」
中学生Bの名前はライトっていうのか近頃の子供のらしい名前だな。異世界のくだりは全くなにをいってるのかわからないけど、アニメとか見ないし。
神「ふむ。小僧の方はなかなか有能じゃな。それに比べてこっちの方はかなり問題ありじゃのう。一応説明してやるかのぅ。ワシは神じゃ」
爺さんがなんかヤバイこと言い出した。神らしい。まぁわかってたけど、なんだかそんな気がしてたんだ。爺さんが話す度になんだか神様だろうなぁって気がしてたんだ。なんでかわかんないけど。
神「さてと、それではお主らには異世界に転移してもらう」
ゆうたとライトはやっぱり!という声をあげながら二人でおおはしゃぎしているが僕はなんのことかまったくわからないので神様の説明を黙って待つ
神「ふむ、ますます有能じゃのう。これなら説明もたいしていらぬじゃろう」
えっ!?この爺さんマジか
『あの!すみません!僕は異世界とか転移とかよくわからないんですけど。詳しく説明してほしいんですが』
神「なんじゃお主はそんなものあとで小僧どもに聞け。ワシがやるのはお主らに属性の付与を施すだけじゃ。」
マジかよ、、、これは困ったぞ。ちらりと中学生の方を見たがニヤニヤしているし絶対教えてくれる気がしない。
神「では適当に属性の付与を施すぞ。小僧どもはなぜか知らんが髪が光輝いておるし火も扱えるようじゃな。うむ!!さすがじゃ!ものわかり良いしセンスに満ち溢れておるのじゃろう!二人には特別に聖属性と火属性を与えよう!!」
ゆうた「ひゃっほぅ!!さすが神様!!才能を見抜く力が半端ねぇぜ!」
ライト「しかも特別にって言ったぜ!!こいつぁいい!」
おいおい、いったいなにがおこってるんだ?属性ってなんだよ。髪が輝いてるってただの金髪に染めてるだけじゃないか。火をあつかうだと!?タバコ吸ってるだけじゃねぇか!
『ちょっ、、、ちょっと待ってくれ神様!!さすがに何がなんだか』
神「じゃかましい!!!」
ビクッ
えっ?俺がおかしいのか?
神「なんじゃ貴様は!!いちいち説明せんとわからんのか!いきなり緑のものを投げつけてくるわ話の腰をおるわ無能にもほどがあるわい!」
おいおい、いきなりこんな状況なんだ。ブロッコリー投げたのは確かに悪いと思ってるけど説明が異世界転移ってだけじゃなにもわかるわけがない。むしろなんでこの中学生は訳のわからん属性の付与なんてされて喜んでるんだ?
そんなことを考えてると神はこちら呆れた目を向けながら言った
神「所詮は無能の問題児。すぐに死ぬじゃろう。属性の付与も転移者には2つ特別なものを与えるのじゃが貴様に時間をさくのも惜しい。そうじゃな、まず地属性は確定していたがもうそれだけでいいじゃろう。後は勝手にするがよい」
問題児?この不良中学生が有能で僕が無能だと?すぐに死ぬだって!?そりゃ日本は法治国家で命の危険は少ない。海外にいけば危ないところはあるけどさすがに死ぬことが前提のところはほとんど無い。そんな危険なところに知識もなにもなくほっぽりだされるのか!?さすがにこれはまずいぞ。隣でゆうきとライトがこちらをみてニヤついてるのも気にくわない
神様が杖を振ると僕たちの身体がほんわりとひかりだした。
神「さてと属性の付与もすんだし早速向こうの世界にいってもらうぞ。一度向こうの世界に行くとワシから干渉することはできん。まぁ城で始まるテンプレのあれじゃ。向こうの世界で頑張るんじゃぞ」
ライト「ありがうな!神様!!」
ゆうき「城か!!大体わかったぜ!」
神様は中学生の頭を優しく撫でながら話している。もう僕のことはほとんど無視だよ、城ってなんだよ。そう心のなかでごちていると神様がこちらを少し睨みながら行ってきた
神「きさまにもライトとゆうきの邪魔にならんよう向こうの言葉がわかるようにしといてやる。どうせすぐに死ぬじゃろうがな」
『はい、、、』
なんだよこのじじい。どんだけ不安煽ってくんだよ、マジでもう顔もみたくないレベルになってきた。ブロッコリー投げつけて正解だわ
神「それでは新たな世界へ!!!神のご加護のあらんことを!!!」
その言葉と共に僕たちはひかりに包まれた。
神のご加護って、、、
『お前だろうがぁぁぁぁ!!!』
あまりの依怙贔屓で怒りを込めた僕の大声が神に届くことはなかった。
我輩は主人公である。名前はまだない