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「やっと思い出したのね、遅いわよ」

彼女は勝ち誇ったような顔で言った。そして咳払いをし「思い出したところであなたに頼みがあるの、そこの吉川の代わりに私の執事になってほしいの」

「執事!?いきなりそんな突然あらわれて、無茶苦茶いわれても困るにきまってるだろ」

「なによ、あなたあの時『ずっと一緒にいてくれる』って言ったじゃない」

「そんなこと覚えてないよ、もし仮にそう言ったとしても、小さい頃のことだろ」

そんな僕たちの言い合いを今度は、老紳士(吉川さん)がほほえましそうに頷いて見ている。


(ワン!)メイが突然鳴き、僕の顔を再び舐めて、うるんだ瞳でじっと見てくる。

「うっ」僕は右腕でその視線を遮った。

何を隠そう、僕は犬が好きでたまらないのだ。

その昔、母に『犬を飼って』とねだって断られた日から、僕の犬好きは加速する一方なのだ。


「ほーら、メイも『お願い』って言ってるわよー」悪魔のように彼女はささやく。

「よし、ではこうしましょう」一人と一匹の攻撃をみかねてか吉川さんが、こう提案した。


「では一度、森口さまのご自宅に伺いまして、お母様の了承を得てからにしましょう。お母様がダメと言えば、この話はなかったことに。どうですかお嬢様?」

彼女は意外にもその提案に「わかったわ」とあっさりのった。

「森口さまは?」

僕のほうも一抹の不安はよぎったが、きっとこんなとんでもない提案を母さんは断るだろう、そう微かな希望を抱いて提案をのんだ。


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