fake-戦いへと誘う-
イエロア 喫茶店profeta
アラン「俺たちを待っていただと…?」
?「ああ、そうだよ。君たちがここに来ることはわかっていた。」
マルコ「まるで預言者じゃないか?あんたは誰だ」
?「僕は君たちが街中を聞いて回ったイリアスだよ。ご苦労様。わざわざ面倒なことをさせてすまなかったね」
カムイ「本当にいたんだ。情報屋イリアス・ラングナー」
イリアス「ご用件は何だい?っとその前にコーヒーを三人分くれるかいマスター。立ち話もなんだしそこにかけなよ」
アラン「そうさせてもらう。」
*本物かどうかなど確かめるまでもなくかもしだす雰囲気や口調そして何もかも掌握したかのような態度すべてがイリアス・ラングナー本人だと納得させた。
マルコ「ところでイリアスさん」
イリアス「イリアスでいいよ。」
マルコ「あんたはここの店員なの?」
マスター「いいや。彼はただの居候だ。このコーヒーが妙に気に入ったらしい。私としては客足が途絶えたからでていってもらいたいのだがね。」
*なんてでかいじじいだ。こいつがマスターだと。元プロレスラーかなんか?
マスター「コーヒーお待たせ。あついうちにどうぞ。」
*こいつも十分に変人なんだろう。
カムイ「ありがとう。」
イリアス「さて、さっきの話の続きだが、用件は何だい?」
アラン「あんたがこの国一番の情報屋だと聞いたからここに来た。教えてほしいことがいくつかある」
イリアス「僕のことを過剰評価しすぎだよ。ただ好奇心旺盛なだけだそしておしゃべり好き。趣味でやってるだけだから金をとったりしない安心してくれ。」
アラン「助かる。」
イリアス「ただし条件がある。ここであったこと、僕が話したことは他言無用で頼むよ。」
アラン「約束する。俺が聞きたいことは三つ。まず一つ目は大地巫女について知っていることを教えてくれ。」
イリアス「へえ。王に仇をなす気かい?まあいい。その巫女の名はナターシャ・ウール。彼女はこのの世界をひっくり返すほどの力を持つとされている。実際は僕もあまり知らない。なんせ彼女の一族を調べようとしても出てきやしないんだ。きっと王政によって情報操作されているんだと思う。僕一人で情報を集めるのは不可能だと判断した。」
アラン「なるほど。つまりカルボの爺さんの知識と大差ないってことか。」
イリアス「カルボとはポルボフの村長の名だね」
カムイ「知っているの?」
イリアス「彼はもともとゲルド族ではなく異民族でね。ポルボフからの脱走民を支援しているから政府にとっては目の上のたんこぶなんだ。」
マルコ「へーそうだったのか。」
イリアス「話がそれたね。ナターシャは今ここからさらに西に進んだところにあるポロドモールに向かっているよ。」
アラン「なぜわかる?」
イリアス「彼女も三日前に僕を訪ねてきたからだ」
アラン「なんだと?」
イリアス「カナリアでもっとも見つかりにくい場所を教えてくれと言われた。そして僕はポロドモールを教えたのさ。」
アラン「なるほど。俺たちも後を追うぞ」
カムイ「うん。」
イリアス「二つ目の質問は?」
アラン「カムイの故郷についてだ」
カムイ「え?どうして?」
アラン「ずっと気になっていた。どうしてこの国では英語に統一されたのにお前の祖先の言葉だけ今も残っているのか。」
イリアス「君は面白いね。実は僕も同じことに興味を持って調べていてんだ。そしてここにたどり着いた。」
カムイ「プロフェッタ。予言者のことだね。」
イリアス「そう。この店の名はオーナーの友人がつけたそうだ。その友人もカムイ君、君と同じメディチ一族なんだ。ついでにいうとカルボ爺さんもそう。彼らは王族唯一化政策に反対したために滅ぼされたんだ。何百年も前に。しかし彼らはただでは死ななかった。彼らは一族独自の言葉を使ってのちの世代に真実を残したといわれている。これは確かな情報だ。」
カムイ「その真実とは?」
イリアス「残念だけどそれがどこに記されているのか定かではない。」
カムイ「そっか…」
マルコ「俺たちは本当に無知だったんだな。」
イリアス「そうだね。情報は時に兵器にもなりうる。君たちが進む道はとても若さだけで乗り切れるほど軟じゃない。何も知らないで飛びつくだけなら野良犬と変わりはしないよ。これを忘れないでくれ。」
アラン「肝に銘じておくよ。」
イリアス「最後の質問だね。気になるなー」
アラン「ああ。最後はこの国についてだ。この国の…」
-五分後-
イリアス「これがこの国のすべてさ。」
マルコ「俺たちの想像していたことと同じいやそれ以上かもしれない」
イリアス「どうだい?僕の情報は役に立ったかい。」
アラン「ああ。ただ敵は増えちまったがな。」
イリアス「検討を祈ってるよ。」
マルコ「ありがとうございました。」
カチャリ
マスター「彼らには荷が重いでしょうにかわいそうだ。いじめるのはよくない。」
イリアス「ポルドモールから帰ってこれないようじゃどのみち彼らに望みはない。」
マスター「いいやそれだけじゃない…」
イリアス「そうさ僕の言葉はフェイク。彼らはまたここに来るさ。戦いを求めてそして僕が誘う。」
マスター「あんたのそんな顔久しぶりにみたよ。」
つづく