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私には性別がありませんでした  作者: 六条菜々子
第3章 きっかけ
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第34話 俺ってもったいない?

最近は見た目だけが女子高生っぽくなってきた俺だが、いまいちな点ももちろんある。

女子力だ。

まあ、確かに半年ほど前まで男として生活してきた俺に女子力なんて1ミリもあるはずがない。

あればそれはそれで、また別の問題が発生する。

でだ、なぜ俺がこんな話をしているのかというと今日の昼休みがきっかけだ。



「今日も沙希のお弁当きれいだねー。美味しそうだし」

「ほんとに。いつもお母さんが作ってるの?」

いつもの3人でお昼ごはんを食べていると二人が急にこんなことを言い出した。

「いや、いつも私が作ってるよ」

えーという顔で見られる俺。なんでだ?女子ってみんなご飯とか作るの得意じゃないの?

「それは誤解だよ~。だって私料理作るの苦手だし」

「私も同じく」

どうも俺は女子に対して先入観を持っていたらしい。

話を聞いてみると二人とも母親にお弁当を作ってもらっているらしい。

普通はそうでしょ。とも言われた。

俺は昔から料理は好きだったので、中学の時からお弁当だったが毎日自分で作っていた。

だから自分で作るのは当たり前だ!と思っていた。

やはり俺は世間と何かがずれているのだろうか。

「じゃあさ、この女子力が高い沙希も誘わない?」

「え?どこか行くの?」

紗那と由果は今日の放課後に街の服を買いに行くらしい。

そこに俺も来ないか?と誘いを受けた。

しかし、俺はあくまで元々は男子なので、そういうファッションセンス的なものは一切ない。

なので断ろうとも思ったが言い出せず、今に至る。


「ねえ、沙希っていつもどんな服着てるの?」

「えっと、うーん。黒色系かなあ?明るい服は基本的に着ないよ」

「え!?白いワンピースとか来てそうなイメージだったよ!沙希、スタイルいいのにもったいないなあ」

もったいない?その感覚は無かった。というより考えたこともなかった。

だって明るい系着ちゃうと、体格ばれちゃうだろ。

制服だとわざと目立たなくなっているけど、私服だとどうしても…。

難しいところだ。

「服とかには特にこだわりないんだね。不思議だ」

あんたらには言われたくないよ。


でも俺ってそういうイメージ持たれてたのか。

これからはちょっと意識してみようかな。

もっと自然な女子高生になれる様に…。

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