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呪いの聖女じゃありません~呪われた迷宮と聖なる少女~  作者: 初雪しろ/Yuyu*


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謎の道と森の洋館

 森の中を警戒しながら進んでいる時に少し思った。

 冒険者って瞬間的記憶力とかがいいのね。

 若干の違いはあるけれど木々がひたすらに並んでいるこの風景だと、色々と混乱している私がいた。

 方角のわかるコンパスを見ればすぐに認識はリセットできるけど、前を進んでいるリナはそんな素振りなく進んでいく。

 もちろん、道のようになっている部分が一本道なのもあるけれどすごいわね。

 こればっかりは経験ってやつなのかしら。


「あれ?」


 私がそんなふうに少しリナについて評価を改めなければならないかもしれないと思っていると足を止めた。


「リナ、どうしたの?」

「いえ……こんな道あったかなって」


 リナがそう言って向いている方に視線を移すと、たしかに道として人が歩けそうな隙間がある。

 ただ、今まで私たちが歩いていた道と比べると少し細くて気にして見てないと見逃しそうだけれど。


「今まで見逃してたってことはないの?」

「アタシはなんだかんだでもうこの森には何度も来てますし、それ以外の人も来ているはずのでギルドの情報にもこんな道は……でも、ダンジョンが前触れや痕跡もなく形を変えるなんて……」

「私も聞いたことないわね。ラビリアにくるってことでダンジョンのことを知識としては調べたけれど」


 実在が怪しまれている日が変わるたびに形を変えるダンジョンの逸話は調べている時に見つけたけれど。


「もちろん魔物が暴れてダンジョン内が大変なことにはありますけど……どうしましょう」

「危なかったら引き返すって決めていってみましょう。稼ぎが出ればリナの装備を整えるなりお金返すの早めたりできるんだから」

「わかりました。ですが、ここまでとちがってアタシも何が来るかわからないので慎重に行きます」

「わかったわ」


 気を引き締めて未探索の未知へと私たちは足を踏み入れた。

 森の中だからパット見の風景は変わらないとはいえ、先程までよりもすこし緊張が強くなる。

 そして、少し進んでいったところで開いた空間――というよりも人口の建造物にたどり着いた。

 一言で表すなら廃れた森の洋館といったところ。

 人の気配は感じなくて洋館の壁にも周りと囲む塀にも蔓が絡みついている。


「ダンジョンってこんなものまで作るのね」

「あるにはありますけど……森の中とかに作られているのは初めて見ました。普通は建物があるダンジョンの場合は遺跡のようだったり他にも多くの建物の痕跡があるものです」

「そうなのね」


 私たちはひとまず両開きの門を開いて敷地の中に入って洋館を観察する。

 ダンジョンがどうしてできるかが謎に包まれている。

 一時はダンジョンを生み出した何かの記憶を模しているという説もでたけど、証明はされていない。

 森の洋館なんて魔物とかを警戒しだすと危険が多いから物好きの貴族が道楽で作るぐらいしかないのに、こんな立派な洋館をダンジョンが自ら生み出すって更に謎が深まった気がするわね。


「あとはしつこいようですけど、流石にこんなものがラビリアができて調査開始してから今まで見逃されているのも不自然です。そう考えると――」

「最近になって突然現れたって考えるのが自然なのね。どうしてそうなったのかは謎が多いけれど」

「そうなります……うん?」

「どうかした?」

「アリアさん、構えてください。きます!」


 リナに言われるがままに警戒態勢をとる。

 そして、洋館の扉が勢いよく内側から開いたと思うとゴブリンが3体飛び出してきた。

 人型の魔物で身長は小柄なダンジョンだけじゃなく地上でもよく見かけるオーソドックスな魔物。

 基本的に数体で動いているけれど知能は低いが、体は中々の筋肉質で油断して攻撃を食らうと簡単に大怪我につながる。


「実物を見るのは……さすがに初めてじゃないわよ」

「そうなんですか?」

「流石に聖女として、多少はそういう場面に遭遇したりしてるのよ」


 とはいえ、その時はある程度ベテランの冒険者とかも一緒だったから私は支援役に近かったけれど。


「扉の奥に気配はなさそうですし、まずはこの3体を倒します。アリアさんは右のやつを」

「わかったわ」


 私は拳を握りゴブリンを正面に捉える。

 私にとっては初めての攻撃的な戦闘がはじまった。

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