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呪いの聖女じゃありません~呪われた迷宮と聖なる少女~  作者: 初雪しろ/Yuyu*


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12/25

冒険の始まり

 数日がたってガントレットが出来上がった連絡を受けた。

 工房で試しに装備して、用意してもらったカカシに拳をぶつけても違和感もなく満足の出来上がりだ。

 その他にリナの経験則から必要と思う道具を揃えて、ダンジョンに入る日が訪れた。


「ダンジョンに入るのは本当に久しぶりね」


 ラビリア中央のダンジョン入口前までたどり着いて、少し緊張が襲ってきた。


「アリアさんは魔物などとの戦闘はどれほどあるんですか?」

「かなり弱い魔物なら多少はあるけれど……その時も結構数の有利が取れていたから、一対一はないと言っていいわね」

「なるほど……では、必要以上の戦闘は避けていきましょう」

「それが普通じゃないの?」


 座学で冒険者の基本の考え方として命優先の行動をとるみたいな考えがあった気がするんだけれど。


「ダンジョン内だと、ダンジョン内に生み出された価値のある武器なども魔物が無造作に拾って使っていることがあるので。そういうのを狙ってわざと魔物を倒そうとする冒険者もいるんですよ」

「そうなのね……あー、でもたしかに教会にたまに運び込まれてくるわね。あきらかに油断して攻撃くらったでしょって傷の人が」

「そういう人は油断したか欲張って深追いした結果だと思いますよ」


 まあ、狙った何かを達成した瞬間とかは気が緩むのかもしれないわね。


「ひとまず、手続きを済ませてしまいましょうか」

「はい」


 この街のダンジョンは国の中心であり象徴であること。それから場合によってはダンジョン内の魔物などが外にでてくる可能性を考えて入口となる地下への階段を特殊な鉱石で作った壁で囲っている。

 そして、入口前に監視兼出入り確認の担当者が数人常駐している。

 出入りを制限しているわけではないけれど。もしもの時に生死がわかりやすくしたり、あらかじめ期限を決めて救助に行くなどの段取りの際にダンジョンから出たかを確認できるようにするためだ。

 まあ完璧に管理出来ているわけでもないだろうけど、私の場合は聖女という立場でダンジョンに入ることを知ってる人がいるから、しっかりと手続きしておく。


「アリアさん。手続きできました。もう入って大丈夫みたいです」

「じゃあ……改めて何か気をつけることはあるかしら? 私は結局座学での机上の注意しか知らないから。実際に潜ったことがあるあなたの感覚で気をつけること」

「そうですね。ひとまず、ダンジョンに入ると広い草原地帯が広がってますがそこには基本的に大きな危険はありません。初級の冒険者でも対応できる魔物がたまに出てくるくらいです」

「たしか、ダンジョンフィールドとか冒険者の間では言っているのかしら」

「はい。ダンジョンは大きなフィールドが広がっていて、そのフィールド内に更に小さなダンジョンや遺跡があります。そのいずれかに更に下の階層に続く道があるのが定石です」

「なるほどね」

「ですが、今回アリアさんが頼まれている調査は呪いの付与されたアイテムの数や原因についての調査なので……無理に奥へ続く道を探さないでもいいと思います」

「そうなの?」

「探索済みの場所でも、ダンジョンが不定期的に生み出す道具や武具はありますから」

「なるほど。呪いの付与される何かや数を調査するんだから、探索済みかどうかは無視しても調査はできるってことね」

「はい。アリアさんの場合は、今後調査が続くことを考えると戦闘に慣れる意味でも、不意打ちを食らいにくい探索済みの場所がいいかと」

「わかったわ。その案で今回はやってみましょう」

「はい!」

「それにしても……」


 私はリナの方をみる。

 やっぱり、食事を共にするのは人間関係において効果できなのかしらね。

 うちで一緒に過ごすようになって数日だけれど、まだ口調こそ固いけど態度は比較的自然になってくれた気がする。


「なんですか?」

「いえ、なんでもないわ。それじゃあ、行きましょう」

「え? 気になりますよー」


 私は少し笑いつつダンジョンの中へと続く階段を下りる。

 そして一番下までたどりつき少しの通路を進むと地下には不自然な光景が広がっている。


「……昔からダンジョンには謎が多いからって受け入れられているけど。やっぱりおかしいわよね」

「何がですか?」

「下りてきた階段の長さを考えたら地下にこんなに広い空間があるわけないのは当然として、なんで空まであるのって話よ」

「魔剣が作り出した錯覚空間という説もあれば、知覚が出来ない転移魔法によって繋がっている異空間とか色々言われてますよね」


 ラビリアのダンジョンの第1階層である草原フィールドは文字通り広い草原のフィールドになっている。

 上を見れば広い青空と太陽が輝き下を見れば階段の石造りはどこへいったのかと言わんばかりの土と草の大地がそこにはあった。


「まあ、そんな壮大なことを調べるのは私じゃなくて物好きな学者の役目よね。ひとまず今回はリナがよく知っている場所に行きたいのだけれど」

「ここから少し言った先にある森がアタシが今まで探索した場所です」

「じゃあ、そこまでの先導は任せるわ」

「わかりました。こっちです!」


 そう言って先を行くリナについて足を進める。

 他の人が調べている情報があるとはいえ、私にとっては未知なことも多いダンジョンでの冒険が始まった。


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