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呪いの聖女じゃありません~呪われた迷宮と聖なる少女~  作者: 初雪しろ/Yuyu*


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武器工房

 リットが去ったあとに私は教会にきていた。


「ウィン神父。リットが来て話は聞いたわ。それで早速準備をして近日中には一度ダンジョンに行きたいのだけれど。呪いの浄化の依頼は間に合ってるかしら?」

「聖女様のおかげで溜まっていたものは、浄化が終わりました。少なくともすぐにまた倉庫が溜まるようなことはないかと。ですので、ダンジョン調査の仕事の方へ行ってもらっても問題有りません」

「よかった。それじゃあ鍵は渡しておくわ」

「確認しました。聖女様のちからが必要になった際はオーディア家に一報いれさせていただきます」

「わかったわ」


 私は普段の仕事場である家の鍵を教会に返して外に待たせていたリナの元へ急いだ。


「リナ。待たせたわね」

「いえ、だ、大丈夫です。それより、本当にアタシでいいんでしょうか」

「何が?」

「いえ、ダンジョンに潜るにしてももっと適任がいるかと思いまして……アタシはそれこそお金の件が理由ですし、実力的にどこまで力になれるか」


 この子のこの態度は素の性格なのか聖女という私にたして恐縮したり緊張した結果なのかまだわからないのよね。

 出会ってから時間がたってないから仕方ないけれど、命を預けるにはもう少し関係を良好にしていかないとね。


「ひとまず今日は装備を整えるわよ」

「は、はい! え、でも、お金は」

「ひとまず私がだすからいいわよ。あなたの装備も整えないと危ないんだから。遠慮するべきところじゃないわ」

「ですけど……」

「気にするくらいなら、ダンジョンに潜った時に成果をだして罰金のあとに返してくれればいいわ」

「わかりました」

「うん。それじゃあ行くわよ」


 私は教会を後にして街の中心部へと歩き出した。

 いつもと変わらず人で賑わう中に混ざりながら、まずは工房へと足を向ける。


「うん? 聖女様じゃねえか」

「ガントさん、調子はどうかしら?」

「ぼちぼちってとこか」


 いくつかある工房の中から、私はひとまず知り合いのいる場所を選んだ。

 過去にダンジョンから発掘した武器が持ち込まれたけれど、呪いが付与されていることが判明して私が浄化のために呼ばれたという出会いだった初老の職人だ。


「わざわざこんな暑苦しい工房に何かようか?」

「ちょっと、私もダンジョンに入ることになったの。それで装備を整えたいんだけれど」

「聖女様がいくのか?」

「そうよ」

「なるほどな。まあそういうことなら任せな。とはいえ、どんな物がほしいかは聞かないとわしもすぐには用意できねえが。もし、出来物をすぐ欲しいってんならあそこに溜まってるところから選びな」


 そういってガントさんが視線を向けた方を私も見ると大きめの木箱の中に大量の武器が放り込まれている。その横にはしっかりと壁に立てかけられている素人目に見ても出来の良い武器もあった。


「ちなみにどれがおいくらかしら?」

「箱の中のは、流石に使えるレベルにはなってるが出来が良いとは言い難いものだな。壁に立ててあんのはそこそこだ。それ以上を求めるなら少し高いが注文してもらわねえとな」

「なるほどね。ありがとう……ちなみに防具ってここは作ってるの?」

「防具は隣の工房で作ってる」


 ガントさんの工房の隣にはたしかに隣接したもうひとつの工房がある。あっちもガントさんの工房なのね。


「ひとまずは武器みせてもらうわ」

「おう。決まったり質問があったらまた声かけてくれ」


 ガントさんはそう言うと、奥の炉の近くほうへ歩いていった。


「それじゃあリナも選びなさい。というか、あなたって武器は何を使うの?」

「あ、あの本当にこの工房でいいんですか?」

「ダメだった? もしかして悪い評判が……?」

「むしろ逆ですよ! ラビリアの中だと3本指にはいると言われてる工房です。ただ、その分、値も張るはずですからアタシは入ったことがなかったんです」

「そうだったの。まあ、評判がいいってことならよかったわ」


 そういって武器の並べられてる場所へと移動した。

 剣が多いけれどメイスみたいな打撃武器もある。

 木の箱の中の安いと言われてたものも、手にとってみるとそこまで悪くは感じない。

 もちろん普段使ってない私の感覚によるものだから、本職からすると微妙に感じるのかもしれないけれど。


 ただ――なんというか剣とかこういう武器は決められた型での振り方しか知らないのよね。

 リナの方を見ると、恐る恐るといった感じではあるけれど片手で扱えるサイズの剣を手にとって確認していた。

 魔法戦士っていってたっけ。

 その後、しばらく武器を見たけれど私にしっくり来るものは見つからなかった。


「リナ。いいの見つかった?」

「えっと、は、はい。これなんですけど」


 リナがそう言って手に持ってきたのはショートソードだった。


「他には武器だと必要なものってある? 魔法戦士って聞いたけれど、魔術師だとロッドとかを持ってる冒険者も多いけれど」

「アタシはこれがあれば大丈夫です」

「そうなのね。それじゃあ、買ってしまいましょう」

「あの、聖女様は武器はいいんですか?」

「ちょっと見つからなかったから、一旦保留にするわ」


 明日すぐに出発というほど急いではないからね。少し自分でも確かめないことがあるし。

 私はガントに声をかけてリナの選んだソードを買い取った。

 私的には問題ない値段だったけど、リナは若干目が泳いでたけどそんなに高いのかしら。

 後で他の工房もまわって値段の相場を知っておくのも今後のためにいいかもしれないわね。

 さて、次は防具工房に向かうとしましょう。


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