10話:蘇るトラウマ
「そういえばお前って一定周期で狂暴化するんだよな?」
それによってスタンピードが起こるとかなんとか。
「ソレハ、チノウノナイ、ヤツラダケ」
「そうなのか?」
「チノウアルヤツ、フカイモリノナカデ、クラス。チノウナイヤツ、マリョクタベスギテ、アバレル。」
「なるほどな。」
今俺は絶賛オークと会話中である。昨日あの後オークは村に帰り、俺は適当に山菜を集めて一日を過ごした。
そして朝目が覚めると、穴倉(寝床)前にある丸太にオークが腰かけて待っていたのである。
「今からお前の住む村に行くんだよな?」
「ング」
「赤髪の男が来るって言ってたけどそれは村に来るのか?」
「タブン」
「多分、、か」
とりあえずオークの村ってのが気になるぜ。
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「ツイタ、ソコデマッテテホシイ。ミンナニ、ツタエテクル」
「おう」
ぱっとみなんもないんだよな。村だといっていたけれど家の1つも見えやしない。オークもいる気配全くないし、、、
すると突然ゴソゴソという音と共に草むらから一匹のオークが飛びかかってきた。
「オイお前ッ!オレ様のこのヤリノ餌食二ナルンダナっ!」
そう言い放ち槍を構え俺をめがけて飛んでくる。
俺は何が起きたのかわからないまま咄嗟に手をかざした。
バキッ、、、、
柄が木でできている槍は俺の手によって砕けて折れた。
「あ、、、、」
「オマエっ!何をしタッ!」
俺の一昨日のトラウマがよみがえる。俺は剣を折った、そしてまたもう一度。俺の居場所はなくなるのか?森も無くなれば俺の居場所はどこだ? そんな思考が俺の頭の中を巡る。
足が竦む。緊張なのか何なのかはわからない。
「ユルサナイッ!」
オークは折れた槍の上半分を拾いもう一度構えた。
俺の目に槍が迫ってくる。
「神に慈悲もらったとて所詮は一度死んだ人間なんだよな、、、」
俺は終わりを覚悟した。
しかし、未来は違った。俺の頭を突こうとしたオークが突く直前で何者からか横から投げられた槍によって殺された。
「申し訳ナイデス、知能ノ無い奴ガ....二度ト、コノヨウナ事が無イヨウニ、、、」
そういいながら向かってくる一匹のオーク。その見た目は最初に会ったオークや今死んだ者とは違い、目が紫で何か普通のオークとは違う風格を放っていた。
同族をあんな簡単に殺してしまうのか。魔物っていうのは。いや、この世界はそういうものなのかもしれない。ただいまはそんなのを気にしている余裕はなさそうだ。
「あなたは?」
「申シ遅レマシタ。村長ヲ務メテイル、ナヴィ、ト申シマス。」
「ナヴィさんね。ってえ?村長?」
村長って赤髪に連れていかれたんじゃないの?
「ドウカサレマシタカ?」
「いや、俺が知り合ったオーガが村長は赤髪の人に連れていかれたって言ってたから。」
「ソウデスネ。連レテイカレタノハ事実デス。シカシ、契約ヲムスビマシタノデ、監禁スル理由ハ無いデス。」
そういいながら自分の目を指差した。
そうか。この紫で禍々しい目は契約によってなったのか。
「どういう契約なんだ?」
「不意ナ転移ヲ同意スルト、言ッテオキマショウ。契約ハ、アンマリ口ニ出セナイヨウニ、ナッテイルノデスヨ。」
「そうか。つまりスタンピードの戦力としてコキ使われるってことだな?」
「察シガイイデスネ。流石魔力神様デス。」
「魔力神様?なんだそれ」
「ナニヲ御冗談ヲ。」
本当に何言ってんだ?
「ツイ先日、モノスゴイ魔力ガ、アナタカラ漏レ出テイルノヲ、他ノオークガ確認シテマス。ソノ魔力ニ宿ル属性ハ、神属性ダッタノダト、、、、ソンナ魔力ヲ扱エルノハ神以外イマセンノデ。」
そういえば確かに魔力漏れまくってるみたいなこと言ってたな謎の男が。そっかこいつら魔物だもんな。そして俺、神体だもんな。うん。どう弁解しよう。
うん。無理だ。
いや、いい考えがあるぞ?
「そうだ。俺は神に認められし人間だ。だがな、一つだけ間違っている。俺の属性は神だといったやつ?そいつだ。まあ仕方ないので特別に教えてやろう。」
「ナ、オシエテイタダケルノデスカ」
「鑑定士とかそんな感じの奴いたりしないか?」
「ワガ村ニハ、鑑定ノ石ハ、アリマセヌ。」
「そうか、まあいい。今から話す内容は他人に少しでも話したりしたら、、どうなるかわかるよな?」
そういいながら天の声さんに魔力を漏れ出させてもらい、威圧してみる。これ俺考えたんだぜ?天才だろ。
「では話そう。俺は神属性を偽装して宿すことが出来る能力を神から授かったのだよ。つまり、神属性ではない。そして俺はほかの生物にあまり手を加えることはできない。つまり戦いには参加できない。神からの信託によりな。」
嘘です。ただなるべく戦いたくないだけです。
「ナルホド、サスガ魔力神様」
理解してなくない????
「いやだから神じゃねーって」
「神ト話スコトガ出来ルトイウコトハ、ソレハ神ノ子ナノデス」
「ま、まあいいや。だから村は守るよう努力するけど戦えねえからよろしく。」
「アリガタキ幸セ」
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それから一通り家の場所やら、村の紹介をもらった。家は基本的に俺の住んでいる穴倉と変わりなかったり、一部の集団は木の上で生活していた。こんな木登り出来なさそうな見た目をしているのにどうやって上るのか疑問に思っていたが、枝を引っ張るとはしごが下りてくるとかいうすんげえ技術持っていやがった。
「ソンチョウ、アカガミノオトコガ、キマシタ」
「俺はどうすればいい?」
「待ッテイテクダサイ。」
「分かった」
そういって村長は、赤髪のところへ向かっていった。




