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蓮華草  作者: 山猫
第一章 世界の流れ
68/92

68・民族衣装

「あ、ダノンじい!って何?その格好?」


リンが声のする方へ振り向いたその先には予想通りの人物、好きな物スポン草・趣味スポン草・これから挑戦したい事スポン草・座右の銘スポン草、のダノン爺が居た

だが彼の格好は彼のジェントルマンフォーマルなのか、白のタンクトップにヒラヒラと長目の前垂れを靡かせたこれまた真っ白なフンドシを履いていた。そして何故か誇らしげに腕を組んで仁王立ちで立っている。美少女の後ろに立っている黒光りフンドシ爺、完全に檻の中案件である


「ん?何じゃリン?スポン草が欲しいのか?」


「いや言ってないから!で欲しくないから!て言うかズボンぐらい履いてよ!」


「いやワシが言うとるのはズボンじゃなくてスポンなんじゃが」


「いや私が言ってるのはズボンなんだよう!」


全く話にならないジジイである。耳が遠いのか、それともボケてるフリをしているのか怪しいとこだが、その隆々と黒光りして盛り上がっている筋肉を見るとボケるには程遠く見える


「何じゃ?欲しくないのか?まぁええわ、ちょっと待っとれよ。今準備してやるからのう」


「・・・ダメだこりゃ」


やっぱりボケているのかもしれない

リンの話を全く聞いておらずイソイソとスポン草の準備をし始めるダノン。そもそも手ぶらのはずなのにどこからスポン草の準備をするのか、ジールみたいに空間収納の魔法が使える訳でもないのに・・・

そう思い不思議そうにダノンを見ていたリンだが、すぐに見なければよかったと後悔した

徐にフンドシの中に手を突っ込んだと思ったら否や、出るわ出るわ、そのスペースのどこにそんなに入っていたのかと思うぐらいスポン草が出てくる。それこそフンドシの中に空間収納の魔法陣が刻まれてるんじゃないかって言うぐらい出てくる


「気持ち悪・・・フンドシの中ってどうなってんの?」


リンがそう思うのも無理はないだろう

少し見ていた間にあっという間に小さなスポン草の山が出来るぐらいフンドシの中からブツが出てきた


「よし、こんなもんじゃろう。さて仕込みからやるかのう」


「・・・こんなもんじゃろうじゃないよ」


リンの言葉なんて耳に入っていないダノンはクルッと後ろを振り返りスポン草の仕込みを始めた。勿論、後ろを振り返ったダノンのフンドシはしっかりとケツに食い込んでいた


「これはフンドシの神秘だね・・・」


目の前に次々と繰り広げられる非現実的な光景に訳が分からないセリフが飛び出すリン。だがこれは仕方がないだろう、きっとそれはフンドシの神秘なのだから


「時にリンよ」


もう考えても仕方ないから無視をする事にしようとしていたリンにダノンが話し掛けてきた


「ん?何?ダノンじい?」


出来れば答えたくなかったリンだが根は優しいのだろう。黒光りフンドシ爺の言葉にしっかりと返事をしてあげている

それに対しこれまたどこから出したのか調理に丁度良さそうな大きさの鍋を出して、しかもいつの間にか火にかけてグツグツとスポン草を煮込み始めているダノン。そのスポン草の仕込みをしたままダノンは尋ねる


「ジールは、お前さんの親父はまだ帰ってこないのかのう?少し時間がかかっているみたいじゃが・・・」


そのダノンの言葉を聞いたリンは少し悲しそうに俯き、そしてポツリと返事を返す


「・・・まだ帰って来てないんだ。本当ならもう帰って来てるはずなんだけど。パパ、大丈夫なのかなぁ・・・」


そう、エリーとリンとの約束の日にちはとっくに過ぎており、特にガルスのお尻の腫れが引くぐらいの日にちは経ってしまっていた

その理由をリンは知る由もない、今この瞬間、未だジールは真っ白な霧の空間に捕らわれたままなのだから・・・


「まぁリンよ。心配せずともアヤツなら大丈夫じゃろうて。殺しても死なんようなヤツじゃから明日にでもひょっこり帰ってくるんじゃなかろうかの」


珍しくシュンとしょげているリンを見てか優しく励まそうとする禿げているダノン爺。だがそのケツは相変わらずしっかりとフンドシに食い込んでいた

鍋をグツグツと煮込んでしゃがんでいる黒光りフンドシ禿げ爺。インパクトで言ったらこの村でも最大だ。しかしそんな光景もリンにとっては慣れているみたいで


「そうだといいけど・・・うん!きっとそうだね!全くあの変態オヤジは、私とママとの約束の日にちを守らないなんて!帰ってきたらやっつけてやるんだから!」


少しも気になっていなかった。それよりか直ぐにいつのも調子を取り戻しグッと拳を振り回し始めていた


「ふぁっふぁっふぁ、そうじゃの。レディとの約束を守れない奴は少しお灸を据えてやらんといけんのぉ」


そんなリンを優しそうな目で見るダノン

言葉は凄くジェントルマンだが格好は凄くワイルドマンであった

そんな平和な村のいつもの光景、風は優しく囁き、村の人々も幸せそうに微笑んでいた



『グルワァアアア!!』


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