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蓮華草  作者: 山猫
第一章 世界の流れ
60/62

60・side ???

ーーーーー


暗く日の光も差し込まないような暗黒に包まれた大地


そこに数人の人間と対峙している一人の男が居た

男は地面に付しており纏っている衣服はボロボロに切れ裂かれている。そしてそこから見えている紫色の肌は彼が人間ではない事が伺える。さらに背中からは四枚二対の漆黒の羽が生えており額からは一対の角が生えていた

だがそれも圧し折られ以前はそうであったであろう形を成していない


「年貢の納め時だな・・・魔王」


その男と対峙している数人の人間、その先頭に立っている青年が口を開いた

青年を含め、対峙している数人の人間もまた身体中に傷を負っておりまさに満身創痍。だが対峙している男と違って二つの足で地面にしっかりと立っている

そしてそれぞれが自ら手にしている剣や杖などの武器を男に向けて構えておりいつでも攻撃できる体制を取っていた


「くっ・・・何故だ・・・我らが何をしたと言うのだ」


地面に付している男、魔王と呼ばれた男が口を開いた

最早立つ事もままならず、否、地面に立つ為の足が吹き飛ばされている故立つ事が出来ないでいた

そして男の背後に広がる岩で形成された無機な大地は夥しいほどの屍で埋め尽くされていた。その大地は本来の色を失っており飛び散っている真っ赤な赤と広がっている紫の屍で染まっていた


「はっ!お前らは存在自体が悪なんだよ!」


ソレ等を作り出したで一人であろう青年が再び口を開き吐き捨てる

そして眼前に構えていた長剣を頭上に掲げ己の魔力を込め始める。それに伴い青年に追随していた数人の男女の内、魔法使いと僧侶と思われる女性達が同じく青年の長剣に魔力を込め始めた


寸刻の後、込められた魔力と比例して青年の体が光り輝き始めた。そしてその光が徐々に全て長剣に集まり始める


「さぁ、これで終わりだ魔王!」


全ての光が長剣に集まった後、青年は高らかに声をあげ魔王と呼んだ男との距離を一気に詰めた

そして・・・


「ぐわぁあああああ!!」



「はっはっはっ!これで俺も英雄だぜ!」


振り切った長剣を肩に担ぎ、動かなくなった目の前の男を踏みつける

大きく切り裂かれた胸からは大量の血液が流れ落ち、周りの景色と同様に赤く紅く染めていった


「はーはっはっ!さぁ凱旋だ!報酬もたっぷり貰わねぇとな!いくぞお前達!」


長剣に付いた血を振り払い鞘に納める

そしてそのまま踏みつけていた魔王と呼んでいた男を踏みにじりその場を立ち去って行く

赤と紅に包まれた大地に大きな声が響き渡り、そしてその内聞こえなくなっていった


・・・後には積み重なった多くの屍と静けさに包まれ彩色に染まった大地だけが残されていた



・・・


「・・・くっ」


青年たちが立ち去って数刻

静寂に包まれていた大地に一つの声が響く

その声に主は動かない身体に鞭を打ち、側に積み重なっている魔族達に這いよる


「ぐっ、ルボスにケルガ・・・おぉドルイロまで・・・何て事を・・・何て事を!!」


必死に手を伸ばし魔族達に手を伸ばすが当然帰ってくる言葉も無く、触れても冷たさが手を通し伝わってくるだけ


「ホリア・・・スキナ・・・誰も生きてはおらんのか・・・何故だ・・・何故我等がこんな仕打ちを受けねばならんのだ!ただ平穏に暮らしていただけなのに!」


伸ばしていた手を止めその場で固く握り締めた

頬を濡らす涙は、血で染まっていた


「許さん・・・許さんぞ人間ども!我ら同胞の仇・・・根絶やしにしてくれるわ!!」


染まる大地に響き渡る一つの声


その声はただ憎しみに包まれていた


ーーーーー

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