54・籠目囲め
ズガンッ! ズガン
身体強化を施したまま足元の地面を踏みしめた為大きく砂が無い上がる
それと同時に踏みしめた時に大きな音が鳴った・・・が違和感
「ん?何だ今の?」
音が二回聞こえた気がした。それも二回目はやや遅れて
勘違いなのか?いや空耳ではないはずだ。まだそこまでボケちゃいないだろう
「気のせいか?・・・いやもう一回やってみるか。せぇ~のっ!」
ズガンッ!! ズガン
疑問に思ったジールは大きく足を振りかぶり先程より力を込めて思いっきり足を振り下ろした
そしてやはり聞こえた。今度は勘違いではない
一回目より遥かにはっきりと
「これは・・・」
その事実を確認し、ジールは顎に手を当て思考に入る
音が二回聞こえてくるって事は空間が繋がっているって事か?・・・いや違う、ループしてんのか?
それならどんだけ走っても同じ所をグルグル回ってるだけだから景色が全く変わらないのも頷けるな。しかも魔法を打ち出せたらそれが回って自分に戻ってくるからすぐにバレるって訳か
「・・・なるほど、要はここは籠の中って事か」
思考がまとまったジール
だがここから出るための手段が思いつかない
空間がループしている、魔法が打ち出せない。なら地面を掘ってみるか?いやおそらく対策しているだろう・・・どうするか?
う~ん、と頭を捻りこの空間から出る手段を熟考する
「ん~まいったなこれは・・・あ?いや待てよ?音・・・音か、そうかこいつは試してみる価値はあるな」
悩んでいたジールにふと妙案が閃いた
先程地面を踏みしめた時に二回聞こえた音。そして身体強化なら可能という事
ジールはその思い付きのまま喉に手を当て魔力を集めていった
そして軽く咳ばらいを二、三度
「コホン・・・よし。ふぅ~・・・・・・スゥ~~~~~~~」
咳払いの後軽く深呼吸したジールは集めた魔力で喉を集中的の強化した後、全力で息を吸い込み始めた
吸い込んでいく空気と比例してドンドン胸が膨らんでいく
水中なのに空気を取り込むという表現も可笑しいが、そもそも普通に呼吸が出来ている時点で普通では無い空間なのだから間違いではないだろう
そして肺が張り裂けんばかりに空気を取り込んだジールは一拍の後、それを一気に吐き出した
「アーーーーーーッ!!」
もはや声、いや音として表現するのも疑問に覚えるその大音量を自らの声帯から吐き出す
さらにそれはジールが魔力を集めて強化した喉を介して辺り一面にノイズを撒き散らした・・・すると
ピシピシ
ジールを閉じ込めていた黒に包まれた空間に亀裂が入った
「・・・ちっ。もう一息ってとこか」
取り込んだ空気を全部出し切ったジールは舌打ちをする。若干喉を痛めたのか手を当て少し咳き込む
空間全体に少しの亀裂は入ったもののそれまで。それ以上に亀裂は広がること無く、さらにすぐに亀裂は修復を始めていた
そう、ジールが試したのは音による振動




