43・敏腕秘書
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「それで?今日は何の用事で来たのん?」
「今日はモグモグだな、モグモグ人魚モグモグを貰いモグモグ来たんだよ」
場所は変わって、ジールが案内されたのはスカイブルーの海底の中、一際煌びやかに輝く城であった
その水晶宮の様に透き通っているそれは美しい海底の景観を損なわず、むしろそれを一層引き立てているかの様であり、城と言うよりは宮廷と言った方が正しいだろう
その中、久しぶりのジールの来訪に腕を振るってタルタロス改め、ジュリアは深海の美味なる食事を振舞っていた・・・作ったのはククルなのだが
海底の美しい薄く青い色のアクアマリンで作られたテーブルに所狭しと並べられている数多くの料理
かなり美味なのだろう、ジールはジュリアの質問に答えながらも必死に口の中に掻き込んでいる
そのジールをジュリアは愛おしそうに目を細めて眺めていた
「ん~?何て言ってるかわからないわぁん?それともあれなの?とうとう私をジールちゃんの側室として」「ッンク!ぷっはぁ!人魚姫の涙を貰いに来たんだよ!」
モグモグしてまともに喋れないジールを良い事にジュリアは好き勝手なことを言い始めたが、慌てて料理を飲み込んだジールにそれを阻止された
そして今回の目的をジュリアに伝える
「んもぅ~、相変わらずお堅いんだからぁ。それに人魚姫の涙なんて・・・そんなにアタシを傷物にしたいのかしらぁん」
ジールの言葉をどう勘違いしたのか、いそいそと自分の服を脱ぎ始めるジュリア
と言っても脱ぐのは下半身に尾ひれが付いているため上半身に纏っている絹のような服だけなのだが
「いやいやいやいや待て待て!誰もお前の濁った涙なんかいらねぇよ!」
既に上半身の服を脱ぎ去り、その逞しすぎる肉体美を披露し始めているジュリア・・・いやここはタルタロスか
「何よ!失礼ね!遠慮なんてしなくてもいいのよ?ほらほらぁたっぷりと堪能してえぇん」
そのままの勢いで再びジールへと肉薄した
が
ゴンッ
「いったぁいん!もう何するのよククルちゃん!」
ジールに飛び付いたジュリアの脳天をククルが手にしている三俣の槍で叩き落した
「マジで気持ち悪ぃし目が腐るんでつい手が出てしまいやがったです」
「た、助かったククル・・・」
ククルのお陰で守られた己の貞操の危機にホッと胸を撫で下ろす
「別にジール様の為にやった訳じゃねぇです。見ていて不快だったからついヤッちまっただけです」
ついヤッちまっただけらしい
やはり辛辣
見た目は美少女のように麗しいのに出てくる言葉は凄く毒舌
だがそれがいい、ジールは思う。何たって変態が故に
「相変わらずだなククルちゃんは、それに料理の腕も上がってたじゃないのか?かなり美味かったぞ」
「オメェにククルちゃんとか呼ばれたくねぇです。・・・まぁ美味かったんなら良かったです」
デレた。ククルちゃんがデレた
そう思うジールだが口には出さない
何故なら以前全く同じことを口に出した時にはククルが手にしている三俣の槍・・・トライデントでめった刺しにされたからである
さすがの不死身のジールも世界の中でも三本の中に入る伝説の槍に穴だらけにされた時には復活にかなりの日数がかかったみたいだ




