35・昔の知人に会ったら気まずかったりする
「あ~三大秘宝ね。何だよ、始めからそう言ってくれればいいじゃないか」
小指の付け根はさておき、なるほど、とジールはポンと手を打ち相槌を打つ
そして少し考えた後、あからさまに嫌な顔をした
「つまり、お前はアレを採って来いって言うんだな。よしっ!・・・断る!!」
毅然とした態度をとり、腕を組みながら踏ん反り返って拒否した
その顔からは、オレ、行かない、絶対。とはっきりとした意思表示が見て取れる
そんなジールを見てやれやれと呆れた顔のガルスだが、それを神の手を持つ鍛冶師は許さない
「断るな!アレを採って来れるのはお前ぐらいしかいないだろ?
生命の根源と言われる海の秘宝・・・
『大海の雫 人魚姫の涙』
お前ならすぐに手に入れられるだろ?ちゃちゃっと行って採って来いよ」
「いーや断固として断るね!めんどくさい行きたくない気持ち悪い」
めんどくさそうに、そして嫌々と首を横に振り駄々をこねるジール
それに対してオケツをプリプリと横に振りさらに指を左右に振りながらガルスは答える
「ちっち、ジール、お前なら大丈夫だ。別に今回が初めてって訳じゃないんだろ?それにアイツは何気にお前の事気に入ってたぞ?」
ジールが嫌がっているその理由を知っているのか、ガルスはニヤリと笑いながらどんどん気持ち悪くなっていく
ジールはそれを見て、そしていまだに出たままのオケツを見て吐き気を催しながらそれに答える
「おいやめろ、マジでやめろ。その汚いケツをもいでやろうか」
誰かを頭に思い出しながらどんどん不快な顔になっていく
どうやら海の秘宝を手に入れるためには誰かを介する必要があるみたいで・・・それが二人の会話からすればどうやらジールの知人みたいだ
「まぁ、そう言うな。久しぶりに会いに行ってやればいいじゃないか。そのついでに海の秘宝も手に入るんだから願ったり叶ったりだろ?それにお前ぐらいなもんさ、三大秘宝の内の一つを何の苦労もなく手に入れられるのは・・・」
そう言いながら羨ましそうにガルスはジールを見る・・・しかしその瞳には黒い笑みが浮かんでいた
「うっせぇ!しょうがない用事でもなけりゃあんなヤツのとこに行きたくもないわ!」
「ジールよ、今回はその『しょうがない用事』ってやつだ。実際、お前も分かってるんだろ?海の秘宝があった方がいいって事ぐらいは」
「・・・」
チッと舌打ちをし、ガルスに背を向ける
黒い笑みを浮かべていることに対しては腹が立つが言っていることは理解している
確かに、三大秘宝が揃えば自分が探し求めていたモノが出来るかもしれないからだ。そしてこの男、ガルスならそれをやってのけるだろう
それが分かっているだけに腹立たしい
「・・・分かったよ。行ってやるさ、そんでさっさと採ってくるよ。長居はしたくないしな・・・とりあえずエリーにしばらく留守にする事を言ってくる」
クソっ、と悪態を付きながらも何とか自分自身を納得させる
そしてそのままガルスに背を向けたまま、じゃあな、と一言残しその場を後にした
それに対し未だにオケツを空に向けているガルスはフッと鼻を鳴らし
「素直じゃないヤツだな・・・まぁなるべく会いたくないって気持ちも分からなくないけどな。全く・・・罪な男だぜ」
と呟いた。ちなみにセリフは格好つけているが、状況が全然格好付いていないのは分かっていなかった
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遥か彼方にある世界の果ての深海
「はっ!今あの御方の匂いがしたわ!」
「はい?何意味の分からねー事を言ってやがるんですか?そんな訳あるわけねーでしょうが。脳みそまで筋肉になりやがったでありますか」
「はぁはぁ・・・やだ、あの御方の香り・・・んん・・・エクスタシー!!」
「・・・こいつはもうダメでやがりますな」
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