29・陰我、オウ!Ho!
自分の放った氷塊がことごとく防がれてしまった
それに付け加えドヤ顔で煽られたリン。余程頭にきたのかスッと目が据わる
そして瞬間的に思考を巡らせ今までと違う魔法を繰り出そうと魔力を込め始めた
来るか!?そう思ったジールは頭上に展開している空間収納はそのままに、自分の前後左右、どこから来てもいいようにさらに四つの空間収納を展開した
「さあ、どこからでもかかって来たまえ!越えられない壁というものを見せてやろう!」
「・・・」
俯瞰的に視野を広げ、襲い掛かってくるであろう攻撃に身構え神経を張り巡らす
そのジールの煽りに対し沈黙で答えたリンは込めた魔力をそのまま地面に流した
そして
ズガン!
「オウ!?」
ジールに鋭い痛みが走った
何故だ?どこから攻撃が?そんなはずはない。全ての攻撃はこの空間収納で防いでいるはずだ
そう思うが神経が痛みを伝える
この痛みはどこから?
痛みが伝わってきた先に視線を走らせる。それは下腹部辺り、そして後方・・・そう、オケツ
「なっ!?」
ジールのオケツに地面から伸びた岩の棘が刺さっていた
なるほど、確かに下からの攻撃は予想していなかった。そう感心するがそれよりオケツの痛みが思考を邪魔する
痛い、痛いのだ、オケツが
「くっ・・・」
思わず空間収納に回していた魔力を霧散させてしまいオケツを抑えながら四つん這いで蹲る
何て奴だ・・・防御の隙間を狙ってきやがった。しかしマズイ、このままでは
痛みの狭間を行き来している思考を何とかまとめ、再び蹲ったまま自分の周りに空間収納を展開した
今回はオケツの後ろにも忘れずに・・・
「っはぁはぁ・・・どうだリン、こ、これで攻撃できないだろ。地面からの攻撃とは恐れ入った・・・シャルが鍛えているだけあるな。だが、もうお前の攻撃は喰らわないぜ・・・」
「・・・」
息も絶え絶えに四つん這いになったまま防御を固める
しかしジールは失念している。先程からリンが黙ったままであることを
そう、彼女は集中していた
ジールは気付いていない
彼女は先程の攻撃からずっと魔力を溜めていることを
リンはその据わったままの目で現状を冷静に分析していた
そしてジールはオケツに集中しすぎていた
まだ防御に隙間がある事を気付けずにいた。集中しているリンがその隙を逃すはずがない
そして溜め込んだ魔力を再び地面に放った
それを見たジールは四つん這いのまま空間収納に全力で魔力を込めた
だが気付いていない、四つん這いになっていることはどういう体勢なのかを
リンが込めた魔力が再び岩のトゲを形成した。込めた魔力分先程より太く鋭く硬く、だ
そしてそれが向かった先は・・・四つん這いになているジールの下腹部、前方!
形成されたそれは凄まじい速さで突き刺さる!
ぷちゅーーーん
「Hoooooooooooooooooo!!!!!!!」




