1・ジール・ストライダル
暖かい陽だまり
澄み切った美しい青空
広がる大草原
「ふわぁ~」
いい天気だ・・・
と彼は呟く
彼の名は ジール・ストライダル
この物語の主人公(仮)である
「こらぁ~!またこんなとこで昼寝して!早くしないとママに怒られちゃうよ!」
気持ちいい風を浴びながら心地よい時間を過ごす、そんな時間を噛み締めのんびりと昼寝をしていた大事なひと時を邪魔された事に眉間に皺を寄せながら声のした方に顔を向ける
「リンか・・・まだもう少し寝かせてくれ・・・」
視線の先に現れた自分の愛娘の存在に気付くがそれよりも睡魔という強敵に打ち勝てず再び夢の中へと旅立とうとする
「ダメだったら!そんなことしてるとまたパパだけご飯無しになっちゃうよ!?」
そんな自分の父であるジールを長い金色の髪を振り乱しながらブンブンと手を振りジールを起こそうとするリン
「何?・・・それはマズイ」
リンの言葉にピクリと体が反応したジール。どうやら睡魔という強敵よりも今日の晩御飯という更なる強敵に軍配が上がったようだ
「やれやれ・・・」
そう呟きながらジールは渋々立ち上がる。だが晩御飯を逃す訳にはいくまい
「ほら早く行くよパパ!今日はレイカーさんのとこに薬草を届けに行くんでしょ?レイカーさんのタルト・・・美味しいんだよね~」
「・・・珍しく呼びに来たと思ったらそれが目的か」
結局それか、そう思いながらリンの小さな身体にいつもよくあんなに食べ物が入るもんだよ・・・とため息をつきながらリンに手を引かれジールは歩き出す
まだ小さいながら必死に自分の手を引くリン、ようやく先月10歳の誕生日を迎えたばかりだ
そういえば・・・と思いリンに話しかける
「リン、誕生日のプレゼントなんだけど・・・」
「フンフン~♪タルトタルト~♪」
「・・・」
スキップしながら機嫌よくジールの手を引くリン
どうやら頭の中はタルトでいっぱいのようだ
「まぁいいか」
とそう呟くジール
先月の誕生日の時に何が欲しいか、と聞いた時に「考えとくね!」と言われたまま保留になってるのを思い出した・・・が、とりあえず今はタルトかと思い大人しくリンの後をついていく事に決めたようだ




