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はじめの一歩

新スポーツ MoonBattleStrikeのチーム募集が始まった


5年後のリーグ化を目指してPRするための2チームのメンバーを募集


社長 富士山一番の意向により西日本と東日本でチーム編成をする

先の募集は18歳迄の健康な若者

性別不当、学歴不問

東西各20名のチームメイトを募集

リーグ化になれば社員雇用有り


別途監督、審判も各2名募集

スポーツ経験不問 年齢不問 性別不問 

リーグに関わらず社員雇用としての募集


FST社がお祭り騒ぎになってきた

みんな楽しそうに笑いながら応援してくれる

これは社長が強制したものではなく本物なのが解った

広報が本気で取り組んでくれる

テレビをつければCMが流れ

ネットのSNS、検索サイトでもネットCMが出てくる

各リクルート誌で盛大に募集をかけてくれた


ニュースにもなって上々な出足になる


人員は人事部に頼らずMBS事業部で全てを賄うことになるが人事部が採用のコツや何処を見て判断するか等を教えてくれた


プルルル プルルル

目が回るとはこの事か景色が認識出来ないくらい右往左往する、電話が毎日ひっきりなしに鳴って落ち着かない

質問 冷やかしも多いと電話のベルが怖くなる


部長は上手くやってねと笑顔で丸投げして何処かへ消える

さすが窓際!

怒る暇も呆れる時間も無い程に忙しいので嫌いになる余裕が無いのも少々助かった


募集人数は千人を越えた時

「おお」とみんなで手応えを感じた


面接は各地方に数ヶ所づつで行うため数ヵ月間はかかる

練習会場分の無重力システムも増産しないと行けないのでスケジューリング表をみんなで作った


女チームは私筑波と白馬さん鷲嶺さんで東日本

男チームは妙義さん香久山さんで西日本を転々と面接した


真面目に面接に来る者が多いが

何かの影響なのか面接なのに悪態ついたり 

未成年だから仕方ないが親がでしゃばってきたり

一芸を披露したりで良く解らない人も意外に多かったので心が疲れる


その街の美味しい物が食べれるのが救い

夜の女子会は楽しい

これだけ毎日一緒にいて大きな不満は無く楽しく過ごせた『80%面接の愚痴だけど』


「終わったー」

面接最終日の夕方は心の底から声が出た


もう3ヶ月近く旦那さんとまともに会ってない

旦那さんとは毎日LINEしているが

これはこれで寂しいものだと感じる


白馬さんは一昨年入った社員

まだ若いのに大丈夫なのだろうか?

彼氏とかいるのかな?聞いたら失礼だろうか?

私はコンプライアンス的に悩んだ


「白馬さんこんなに帰れなくて大丈夫だった?彼氏とかいないの?」

ナイスだ鷲嶺さん、何でもズバズバ言う人だから直球で聞いてくれた


「全然大丈夫ですよ、彼なら毎日見守ってくれてますから」

屈託の無い笑顔で答える白馬さん、彼が居るなら尚更大丈夫じゃないだろ


白馬さんは笑顔で「彼、見ます?枕元にいつも居たんですよ」とカバンを開いく


「ガン○ム!」

推し活なのか!人でも無ければ男?なのか!

流石の鷲嶺さんも言葉を失った

夜は酔っぱらって、朝はバタバタしていて気づかなかったが確かに枕元に何か有った気はする


一方男チームは窓際おじさん2号の香久山さんといたって普通の若者 妙義さんが面接後に夜の観光を楽しんでいた

妙義さんは父親がいなかったせいか香久山さんの夜の付き合いを嫌だとは微塵も思わず 日本酒と焼酎の味を覚えて帰ってきた

気持ちエロくなった気もする。


これから採用者の選出と無重力システムの増産をしないといけない

スケジューリング表を見つめると肩が重くなる

増産には時間がかかるから焦るのだ


出社すると事務所には4台の無重力システムが置いてあった

「山梨から戻した?」

私は静岡に直接送ろうと思っていたので効率悪いなと思いながら無重力システムを見る


これ新品?


背中に人の気配を感じた

「一応設計どおりにやってみたから、最終チェックだけお願い」

窓際鳥海部長はみんなが居ない間に無重力システムを量産していてくれた

さらに静岡の専用施設の工事立ち会いも全部していてくれたのには驚いた

若干のドヤ顔が鼻にはついたがこれは有難い


定時で上がり現場へ行ったり、設計書を読み取り開発部へお願いして回っていたそうだ


早く上がる鳥海部長を思い出す

あの時嫌いにならなくて良かった


この人は本当に窓際だったのだろうか?

判断と知識が有るように思えた時その背中が大きく私には映った


チームメイト全部で40名

コーチと審判6名が選出された


鳥海部長のお陰で大幅に時間に余裕ができて夏の期間を使って研修と練習をFST社の静岡県と三重県の施設で行う運びになった


この時は全ては順調に行っていると思っていました


我がFST社は1.5流スポーツメーカー

世界に名前を轟かせる一流メーカーになると言う理念で動いている

勿論、一流になりたいメーカーはうちだけではない


スポーツメーカー CA "コメットアース"社

我がFST社のライバル会社の1つ

社長は 城山しろやま れい

我が社 社長の富士山一番と学生時代からの知り合いで犬猿の仲と言われている男


CA社 本社、小会議室

城山は深く椅子に座りながら前に居る社員と話をしていた

その男は 企画戦略部 室長 狭山さやま

「上手く潜り込めたか?」

目を細めて城山が聞くと

狭山は不適な笑みを浮かべ

「東に4名、西に3名面接を通過しました」

「そうか良い方だな」

「はい、かなり厳しい面接のようでしたので、総勢100名面接に潜り込ませて7名受かったのは良い方だと思います」

そうだなと笑い、計画が進められる


CA社は盛り上がり、注目されているMBSに問題を起こさせてFST社を失墜を目論んでいた


そんな事は知らずに私達は選手のユニフォームやら合宿先の手配やらでワタワタしていた


合宿が始まる

静岡の施設に東日本メンバーがやって来た






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