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【悪逆の翼-road dark-】  作者: 渦目のらりく
プロローグ
1/53

第〇話 これは復讐の物語なのだ。


   第一章 この世界の全てが悪だ


挿絵(By みてみん)

【画:久賀フーナ様 Twitter:@hu_na_ 】



 そこが四度目のエデンである事はわかっていた。



 降りしきる冷たい雨の中で、頭から闇を被った様な男が慟哭していた。 


 その咆哮は激しい怒りに満ち溢れていたが、同時に海よりも深く、闇夜の様に暗澹(あんたん)とした悲しみが同居している事が俺にはわかった。


 終末世界の惨状を俯瞰している俺のこの胸に、極魔の慟哭が流れ込んで来る。

 大罪を司りしケダモノ。

 人に原罪を背負わせし蛇。

 かつての星。失墜した明けの明星。

 ()()()()()()()、人間の敵。

 ……何故俺はそんな事を知っている?


 ――そして毒の様な怨嗟が、悶え苦しむ男の口より垂れ(こぼ)されるのを聞く。


「この世界の全てが悪だ」




 輪郭を伝う血の涙を顎先から垂れ落とし、男は深淵とも知れぬ()()の汚泥に呑み込まれながら、足元に現れた奈落に堕ちていく。


「堕ちろ悪魔、愛しき魔王よ」


挿絵(By みてみん)


 そんな聞き覚えのある声を耳にしながら、男は次元の狭間に投げ出された体を捩って、小さくなっていく将の影を見上げ続けた。


 烈火の如く燃え上がった視線の中に、果てしのない大火を逆巻かせながら。


「俺の家族を生きたまま焼き続けた貴様達の非道を忘れない……!」

 ――必ず戻る。待っていろ、ミハイル。


 そこまで聞いて、俺は思い至る。

 これが()()()()()であるのだという事に。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 最高に面白かったです! [一言] これからも追ってまいりますので、執筆頑張って下さい!
2023/07/11 21:22 退会済み
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