第1話「楽園」
目が覚めるとそこは。
タケノコパラダイスだった。。。
「知らない…タケノコだ。」
そこにあったタケノコは俺が知っているタケノコとは似て異なるものだった。
なぜならそのタケノコには━━━━━
手足が生えていた。
俺は驚きのあまり腰を抜かしてしまった。
「うわぁあああ!」
そして、そのタケノコが喋ったのだ。
「うるさいですな。私は今からご飯を食べるのです。静かにして下さい。」
俺は驚いた。
タケノコのくせにご飯を食べるのか。
生意気なやつめ。
しかし、今はそんな事よりこの状況を理解する事が最優先だ。
俺は辺りを見渡す。
するとそこには沢山のタケノコがいた。
「ここってまさか……タケノコ王国?」
「違いますよ。ここは私の家ですよ。」
どうやらこのタケノコの家らしい。
「すみません。あなたは誰ですか?何故ここにいるんですか?」
そう聞くとそのタケノコは答えた。
「私の名前はキノコ。キノコ族です。貴方こそ一体何者なんですか?」
どうやら目の前にいるこいつはキノコ族のキノコと言うらしい。
「俺はタケノコ族のキノコだ!お前はタケノコなのにキノコなのか?」
「えぇ、そうですよ。」
俺は思った。
何言ってんだコイツ。
タケノコじゃん。キノコじゃないじゃん。
頭大丈夫なのか?
まあ、それは置いといて。
「なぁ、俺は最近この辺に流れてきたから知らないことが多いんだ。この辺りがどんな場所か教えてくれないか?」
「いいですよ。まずはこの国について説明します。この国はキノコ王国のキノコという人が治めている国です。」
やっぱり国王もタケノコではなくキノコなんだな。
「それで、ここには何があるんだ?」
「ここにはタケノコ達が住んでいます。あと、サラダバーがあります。」
「サラダバー!?」
俺は思わず叫んでしまった。
だってしょうがないじゃないか。
この世界にもあるなんて思わなかったもん。
「はい、サラダバーです。」
「どこにあるんだよ!?」
俺は勢いよく聞いた。
「知りたいですか?」
「いや、別に。」
「教えて欲しいんですよね?」
「うん。」
「それでは着いてきてください。案内します。」
そう言うとキノコはどこかへ行ってしまった。
「待ってくれよ〜」
俺も慌てて後を追った。
しばらく歩くとそこにあったのは大きな木だった。
「サラダじゃなくて木だろこれ。なんですか?ツリーバーですか?」
「違いますよ。これは世界樹です。」
「マジかよ……」
俺はつい言葉が出てしまった。
世界樹と言えばあれだろ? 伝説の植物だろ? それがこんなところにあるのかよ……
俺は少し感動した。
「ここが入口です。」
「世界樹が入口って。随分壮大なサラダバーだな。」
「さっきから意味わかりませんよ。」
「…。」
1番意味わからんのはお前の存在だよ。とは言えない。
そう言ってキノコは扉を開けた。
そこには大きな広間があった。
「おぉ……すげぇ。」
そこには沢山のタケノコ達がいた。
「おい、あいつってあの時のタケノコじゃねぇか?」
「ほんとだ!さっきぶりだな!」
みんなが俺の方を見る。
「誰だっけ?」
「ほら、あれだよ。」
「あぁ〜思い出した!タケノコパラダイスで腰抜かしちゃった奴か。」
ん?待てよ?
「俺も…タケノコなのか?」
「当たり前だろ?お前はタケノコ以外の何者でもないだろう。」
まじかよ。
まさか自分がタケノコだと気づかなかったとは。
俺は自分の体を見てみる。
「マジかよ……」
そこには手足があった。
普通ならタケノコには手足がない。
でもあったのだ。
こいつらと同じ、短い茶色い手足が。
「まさか…」
俺は似たような状況を知っていた。
そうだ。流行ってるやつだ。異世界転生とかいうやつだ。
最強チートとかのやつだろ。普通。
なんで俺だけタケノコなんだ。
「大丈夫ですか?顔色悪いですよ。」
キノコは心配しているようだ。
しかし、俺はもう決めていた。
「決めたぞ。俺は……この世界で生きる。」
「え?急にどうしたんですか?」
キノコは困惑しているが俺は続ける。
「タケノコ王にっ俺はなるっ!!」
こうしてタケノコになった俺の冒険が始まった。
転生したらタケノコってまじで!?
第1話「楽園」~完~
こんにちは!作者のskytです。
初めての投稿作品なので誤字脱字はご了承ください。
完全な自己満なので!ゆるゆるとやっていきます!